• ホーム
  • トレンド
  • freeeが組織を超えたコミュニケーション向上のオフィスを追求、わくわくする働きやすい環境へ

freeeが組織を超えたコミュニケーション向上のオフィスを追求、わくわくする働きやすい環境へ

販売戦略

2023/08/16 18:00

 中小企業を中心に統合型経営プラットフォームを提供しているfreeeは2022年8月、東京本社の移転を実施した。楽しさを加えた会議室の設置など、わくわくしながら働ける環境を整備。約1年が経過し、従業員が組織を超えてさまざまな角度でコミュニケーションがとれるようになった。今後も、出社したくなるオフィスを目指し、従業員のモチベーションを高めてビジネス拡大にもつなげる方針だ。

freeeのオフィス

リモートも生かして出社の楽しさを追求

 freeeは、経理業務を効率化する「freee会計」など、統合型経営プラットフォームを提供し、中小企業を中心にユーザー企業を獲得している。12年7月に設立し、従業員数は1000人規模。移転前は品川区の五反田に本社を構えていたが、従業員の増加とともにオフィスが手狭に感じるようになり、移転を検討していた。

 一方、20年3月に新型コロナウイルス感染拡大に伴って全社一斉にリモートワークに変更。オフィス移転の検討は一旦ストップし、リモートワークでいかに生産性が維持できるかを実施。リモートワークの環境でも、従業員数と顧客数ともに約2倍となった。

 ただ、このリモートワークによって「組織をまたいだアイデアの創造や自由な議論、従業員同士の一体感などが薄れつつあるという課題が出てきた」と、経営基盤事業本部組織基盤部の碇奈弓氏は説明する。そこで単なる移転ではなく、リモートの良さを生かしながら、出社が楽しいと思えて、さらにコミュニケーションが活発になるようなオフィス環境の構築を決断した。
 
経営基盤事業本部組織基盤部
碇奈弓氏

 オフィス移転に向けて、21年夏にプロジェクトを開始。プロジェクトメンバーに移転の経験者がいないことと従業員の働きやすいオフィスという点を含めて、「オフィスの設備や機能に関して、社内のSNSで“大喜利”のようにアイデアを募った」という。その数200件以上。そこで出てきたアイデアを生かして、どのようなオフィスを構築するかを検討。アイデアを出した従業員にも協力してもらい、22年8月にオフィス移転を果たした。
 

個性ある会議室を設置

 新オフィスでは、カフェスペースを設けるなど、オフィスのどこでも仕事ができる環境を整備。さまざまな場所で楽しくコミュニケーションがとれるように工夫が施されており、特に会議室では、和テイストの「タイシャクタイショウヒョウ」、ビリヤードも楽しめる「ネンマツチョウセイ」など、同社のサービスにも関連するネーミングが付いている。このほか、駄菓子屋のような「ゲンブツシキュウ」、キッチン機能もある「シャショク」、キャンプスペースを備えた「キャンプ」、ビーチをイメージした「はろはろビーチ」などのスペースも設置している。
 
タイシャクタイショウヒョウ
 
ネンマツチョウセイ
 
ゲンブツシキュウ
 
シャショク
 
キャンプ
 
はろはろビーチ

「たのしさダイバーシティ」で成長へ

 「フラワーアレジメントやビリヤードなどの部活動もできたほか、キッチンでパーティを開催するなど、オフの時間に従業員同士が交流することも増えた」と碇氏は満足そうだ。このようなスペースは楽しいだけの場所というわけではなく、コミュニケーションの向上やアイデアの創造にもつながっている。

 「本社移転によるオフィス改革は、『たのしさダイバーシティ』がコンセプト」と碇氏はいう。仕事以外のことでも、とことん楽しんで追求できる場。これが結果として成長する原動力になるというわけだ。(BCN・佐相彰彦)
ギャラリーページ