ソフトバンクとLINE、統合の出鼻をくじく個人情報不備問題

経営戦略

2021/03/22 19:00

 ソフトバンクLINEは3月22日に開催予定だった法人向けイベント「SoftBank × LINE Biz Conference」を延期した。LINEによる個人情報保護の不備について、LINEが最優先で対応するためという。今後の予定は決まり次第、公式サイトで案内する。

基調講演で登壇する予定だったソフトバンク
宮内謙社長とLINEの出澤剛社長

 同イベントは3月1日にZホールディングスとLINEの経営統合が完了し、正式にLINEがソフトバンクグループの一員に加わったことを踏まえ、法人向けに両社の新たな取り組みをアピールするものだった。
 
延期になった法人向けイベント
「SoftBank × LINE Biz Conference」

 イベントでは「デジタル化の未来やB to B to C領域での事業展開、AIなどのテクノロジーやデータを活用したソリューションについて紹介する」として、基調講演にソフトバンクの宮内謙社長執行役員 兼 CEOとLINE社長CEOでZホールディングスの代表取締役Co-CEO(共同最高経営責任者)である出澤剛氏、韓国NAVERのハン・ソンスクCEO、ソフトバンクの今井康之副社長執行役員 兼 COOが登壇する予定だった。

政府はLINEの利用停止の動き

 LINEの問題では、システム開発や運用の一部を担う中国の関連会社から、日本のサーバーにある利用者の個人情報にアクセスすることが可能になっていた。問題を受けて総務省は3月19日、LINEに対して利用者情報の管理状況について、4月19日を提出期限とする報告を求めた。
 
加藤勝信内閣官房長官
(3月19日の会見、内閣広報室)

 また、同日の総務省の会見で武田良太総務大臣は「(総務省の)採用活動、意見募集や利用者への問い合わせ対応でLINEを利用していることが分かっており、いずれも運用を停止する予定」としたほか、地方公共団体における保育所の入所申請や住民からの相談、粗大ごみ収集の申し込みなどでLINEが活用されていることについて、NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)などと連携して適切に対応していくとした。

 さらに、加藤勝信内閣官房長官も同日の会見で「内閣官房を含めて各省庁におけるLINEの使用状況を確認している。内閣官房においては、個人情報など管理上の懸念が払しょくされるまで利用を停止する予定」と語るなど、政府におけるLINEの利用停止の動きが広がっている。

 ソフトバンクとLINEは、法人向けだけでなく、スマートフォン(スマホ)の低価格料金プランのLINEMO(ラインモ)の受け付けを開始したり、スマホ決済サービスPayPayで統合記念キャンペーンを展開するなど、グループを挙げてアピールしている。そんな最中に浮上した個人情報不備問題は、大きな影響があるだけに早期の収束が求められる。(BCN・細田 立圭志)

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