巣ごもり需要の隠れた大ヒット商品はこれだ

 2020年はコロナ禍でデジタル家電の売れ筋も大きく左右された。


 ストリーミング放送をテレビで見るアダプターや、USB Type-CからHDMI出力に変換するケーブル、HDMI出力をUSBに変換しパソコンで録画できるようにするビデオキャプチャーまで、映像関連機器の種類は幅広い。販売台数前年比を見れば、明らかにコロナ特需であることがわかる。昨年11月から今年1月までは前年並み程度で推移していたが、2月、3月と徐々に売れ始め4月にピークを形成した。緊急事態宣言が発出された4月は、台数前年比が293.3%、金額でも260.0%と、前年比でほぼ3倍の売れ行き。以降、徐々に売り上げは落ち着いてきたが、陽性者数が増え始めた10月から売れ行きが伸び始め、販売台数で倍増ペースが続いている。
 

 中でもダントツの売れ行きを示しているのがGoogleのChromeCastだ。Wi-Fiが使える環境でテレビにつなぐと、YouTubeやNETFLIX、ABEMA TVといったスマートフォン(スマホ)やタブレット端末で観ていたコンテンツを、テレビに飛ばし大画面で楽しむことができる。巣ごもり需要を受けて大いに売れた。もともとChromeCastが強い市場ではあったが、4月はGoogleの販売台数シェアが52.1%と過半を占めた。直近11月でも39.6%と高いシェアを維持している。11月に発売したばかりの「Chromecast with Google TV Snow」は、専用リモコン付きでスマホなどがなくても直接テレビを操作できるのが特徴。人気が出れば再び5割台のシェアも狙えそうだ。似たコンセプトのアップルTVを擁するアップルは、販売台数シェアは6.0%と4位にとどまっている。
 
11月に発売したリモコン付きの「Chromecast with Google TV Snow」

 13.5%で2位に位置するエレコムは、売れ筋が「USB Type-C映像変換アダプター(HDMI) MPA-CHDMIABK」などの変換アダプター系が多い。パソコンから外付けディスプレイにつなぐ際などに使う。テレワーク需要で売り上げが伸びている。Miracast規格でスマホやPCの画面をテレビに飛ばす「Miracastレシーバ LDT-MRC02/C」は、同社の中では7番目に売れている。シェア6.9%でエレコムを追うIOデータ機器は、ビデオデッキなどの信号をUSBに変換するビデオキャプチャー「USB接続ビデオキャプチャー GV-USB2」が売れ筋。またパソコンを使わずSDカードにHDMI出力を直接録画できる「HDMI/アナログキャプチャー GV-HDREC」も売れている。メーカーシェア3.1%で5位AVerMediaの一番の売れ筋は「Live Gamer EXTREME 2(GC550 PLUS)」。ゲーム実況などにも使えるビデオキャプチャー製品。なめらかな映像を超低遅延で録画できる。
 
パソコンを使わずSDカードにHDMI出力を直接録画できる、
IOデータ機器の「HDMI/アナログキャプチャー GV-HDREC」

 ストリーミングを楽しむ製品がけん引しつつ、テレワークでも使う変換ケーブルが下支えし、ビデオキャプチャーなど、動画配信にも使えるクリエイティブな製品も幅広く売れている映像関連機器市場。コロナ禍で売り上げを伸ばした象徴的な製品カテゴリーとも言えるだろう。巣ごもりになりそうなこの年末年始は、さらなる売り上げ増が期待できそうだ。(BCN・道越一郎)

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