ネット会議需要で絶好調のPCカメラに高級化の波

 ネット会議の急速な普及で、USB接続のPCカメラが売れに売れている。BCNランキングによると、需要が高まったのは新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた今年2月。1月まで前年並み水準で推移していた市場は、2月に販売台数が前年比で1.5倍、3月には3.4倍と拡大。緊急事態宣言が発出された4月は品薄から、いったん2.4倍とやや伸び悩んだものの、5月に5倍、6月に4.5倍、7月に3.9倍と好調だ。3000円台だった税別(以下同)平均単価も5000円程度まで上昇しており、6月の販売金額は前年比6.3倍を記録した。


 ネット会議の需要が立ち上がる直前の1月は、販売台数のうち66.0%が200万画素未満の比較的低価格の製品が占めていた。以降、100万画素未満の低価格製品の構成比は「急場しのぎ」での購入で拡大したものの、200万画素超の製品の構成比も拡大。7月では、200万画素以上の構成比が56.5%と逆転した。特に500万画素台の高画質カメラの構成比が11.6%に拡大し、売れ筋の仲間入りを果たした。

 製品別の販売台数シェアを見ると、1月から7月までの累計で最も売れたのが120万画素のロジクール「HD Webcam C270n」。何と22.7%と断トツの売り上げを記録した。2位の「HD Pro Webcam C920n」もロジクールだが、6.3%というシェアだったことからもC270nがいかに売れたかが分かる。基本性能を備えながら平均単価が2000円を切る手ごろな価格帯だったことが要因だ。
 

 しかし、7月単月で見ると、トップシェアはエレコムの「高精細Full HD対応500万画素Webカメラ UCAM-C750FBBK」。10.2%で唯一2桁シェアを獲得した。品名にもある通り、画素数は500万画素と高級モデル。平均単価も4000円を超えている。シェア9.9%で2位のバッファロー「BSW500MBK」も200万画素の製品、3位に8.6%でC270nという構造になっている。高画素数モデルでは、7位に800万画素のエレコム「超高精細Full Hd対応800万画素Webカメラ UCAM-C980FBBK」がつけている。
 
ロジクール「HD Webcam C270n」(左)と
エレコムの「高精細Full HD対応500万画素Webカメラ UCAM-C750FBBK」

 Zoomなどを使ったネット会議では「自撮り」画像をそれぞれが示すことで、声だけでは伝わりにくいニュアンスを表情やジェスチャーで伝えることが有効。これまでほとんど用途がなかったとおぼしきPC付属のカメラが大活躍している。現用PCにカメラがない場合は、とりあえず「急場しのぎ」でまずPCカメラを買い求めネット会議に参戦という状況だった。しかし、ネット会議が常態化するにつれ、よりよい画質を求め徐々に買い替え需要も立ち上がりつつある。PCカメラだけでなく、ヘッドセットやマイクなど、ネット会議のための周辺機器の活況はしばらく続きそうだ。(BCN・道越一郎)

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