多くの自治体から、未就学の保育園(含むこども園・預かり保育ありの幼稚園)児を抱えている家庭に、新型コロナウイルス感染症拡大抑止のため、登園自粛の要請が出ている。園から個別に要請が出ているケースもあり、日に日にその要請の強制力は高まっていると感じる。この登園自粛の期間は5月6日まで、つまりGW最終日までだが、政府の方針にあわせて延期される見込みが濃厚だ。また自治体によっては、最初から登園自粛期間を長く設定しているようだ。

リモートワークと子ども

無理難題を求められる、働く親のジレンマ

 すでに問題点として挙がっているが、今回、自治体や園は、在宅勤務なら各家庭で子どもの保育は可能だろうと判断し、登園自粛を求めている。

 しかし、子の年齢が0~2歳だと、在宅勤務と家庭保育は両立しないため、仕事を休む・職場復帰を遅らせるといった解決策をとるしかない。年齢がもう少し上の小学校3年生以上なら「勉強しなさい。宿題・ドリルをやっていなさい」で何とかなりそうな気がする(実際には、子が受験を意識する中学2年生あたりまで難しいかもしれない)。その間、学習習慣が身についていない3~5歳の保育園児と小学校1・2年生の扱いが問題となる。

 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、リモートワーク関連製品の販売は好調だ。具体的には、ノートPC、USB接続ウェブカメラ(PCカメラ)、USB接続ヘッドセット、液晶ディスプレイ、マウス、キーボード、HDMIケーブルなど。店舗が臨時休業していても、インターネット通販で簡単に買うことができるので、もともとの販売数量が小さかったケースを含め、前年に比べ、大幅増を記録しているジャンルは多い。急激にリモートワークへと移行していることがうかがえる。
 

 単身者なら移行に伴う障害は比較的少ない。しかし、大人2人以上の同時在宅勤務、子のいる家庭の在宅での勤務は無理があるのは明らかなはず。在宅勤務は、今までは自営業・フリーランスが中心だった勤務形態のバリエーションの一つであり、「子ども1人や2人、保育できるはずなので家庭で保育すべし」という判断の見直しを訴えたい。今回限りの応急処置ではなく、恒常的にリモートワークを定着させたい意向があるなら、子や配偶者が傍らにいる在宅勤務は、ときに30分たりとも集中できず(子の性格による)、特に日中のビデオ会議・電話応対の多い職種ではどう工夫しても両立しないと、自治体に理解してもらう必要があるだろう。

 蛇足だが、会議のない職種なら、食事を含む生活時間帯を変えれば、在宅勤務と家庭保育は可能である。朝4時~6時に起き、子を朝8~9時まで寝かしたままにし、その間、集中して仕事を進めてしまうのだ。夜は遅くとも21時までに子を寝かしつけ、一緒に入眠すれば6時間~8時間の睡眠を確保できる。子を寝かしつけた後、夜中の2時頃まで仕事をする逆のパターンも考えられる。日中は眠気が残るので、不要不急の外出を自然と避ける気になる。仕事ではなく、プライベートな時間を確保するテクニックと読み替えてもらってもいい。共感したならトライをおすすめしたい。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。