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テレビ番組向け顔認識AI「カオメタ」、東芝デジタルソリューションズ

販売戦略

2020/04/15 19:35

 東芝デジタルソリューションズは、放送局をはじめとするメディア向け顔認識AI「カオメタ」のサービス提供を4月14日に開始した。映像に映る人物の顔を高い精度でリアルタイムに認識し、人物特定することで、迅速・正確な番組制作などの業務をサポートする。

顔認識AI「カオメタ」Webサイト

 カオメタは、映像から人物を特定する顔認識AIで、メディアの顧客からのニーズが高いリアルタイム性を重視したオンプレ版サービス。NIST(米国国立標準技術研究所)主催の顔認識ベンダーテストWild部門で、国内ベンダー1位(世界6位)の成績を記録した東芝独自の顔認識技術を活用している。

 さまざまな撮影環境や顔の向きに対して高精度でリアルタイムな認識を実現し、しかも照明や顔の向きや表情といった多くの変動要因を含んだ画像からでも、正確に人物を特定するための情報を抽出できる技術を備えているため、複数枚の顔画像を用意する必要はなく、1人につき1枚の顔画像を登録するだけで高精度な顔認識を実現する。

 さらに、検出した顔の領域を追跡することで認識を途切れさせない人物トラッキング機能や、複数の映像を同時に扱うマルチ画面に映し出された小さな顔の認識など、放送局に特化した機能もあり、さまざまなシーンに柔軟に対応する。

 今回、カオメタを提供するにあたって、日本テレビの協力のもと、選挙特番をモチーフにした実証実験で効果を検証した。カオメタのプロトタイプ版を日本テレビの放送システムに接続し、19年7月に放送された生放送特番「2019参議院選挙特番」で、映像に映った立候補者の人物名確認作業などに適用したところ、本人適合率99.74%の精度で顔を正しく認識し、本人確認作業時間が大幅短縮できたことで、映像素材のオンエア率が倍増した。

 同社は、今後も、番組制作現場の負荷軽減に向けた放送システムとの連携や、システム環境を意識せずに利用可能なクラウドサービス化など、放送局の業務に寄り添う機能の拡充を進めていく。また、リアルタイム認識に加え、今まで対応が難しかった大容量の過去の映像に映る人物特定(メタデータ付与)などにも取り組む考え。