楽天モバイルは、4月8日から自社で回線設備を保有するMNOとして正式サービスを開始する。同社が「正式プラン」と呼んでいたMNOサービスの料金プランは、月額2980円の「Rakuten UN-LIMIT(ラクテン アンリミット)」の1プランのみ。しかも、先着300万人に限り(人数は増減の可能性あり、一人1回線1度のみ)、事務手数料・端末代のみで、開通から1年間無料で利用できる。かなりの大盤振る舞いにみえるが、ごく妥当な施策だ。

ストリーミング配信されたサービス発表会でプレゼンテーションを行った
楽天の三木谷 浩史社長

【参考記事】楽天モバイル、300万人が1年無料! 4月8日開始
https://www.bcnretail.com/market/detail/20200303_160284.html

 妥当とみなす理由は、現在、MVNOの楽天モバイル契約者で、最低利用期間内の場合、最低でも9800円の契約解除料がかかり、2019年9月末日までに契約した利用者の大半は、高額な契約解除料を支払わない限り、MNOサービスに移行できないからだ。
 
MVNOの楽天モバイルの契約解除料(19年9月30日までの契約)

 3月3日に受付開始した先行申込の特典「オンライン申込で3000ポイントプレゼント」「事務手数料相当を全額ポイント還元」が本申込開始時に適用されても、MNOへの移行は数千円の持ち出しとなる以上、「1年無料」くらいのメリットを打ち出さないと、残留組が圧倒的多数となりかねない。対して、10月1日以降に契約したMVNOの楽天モバイル契約者は、最低利用期間がないため、即座にMNOサービスに移行可能だ。
 
MVNOの楽天モバイルの契約解除料(19年10月1日以降の契約)

自社回線のGB単価は激安だが……

 4月7日をもって新規受付終了するMVNOの楽天モバイルの「スーパーホーダイプラン」は、各種割引を全て適用すると、加入1年目は、月間2GBのデータ通信を月額980円から利用できる。2年目以降の割引適用なしだと月額2980円となり、Rakuten UN-LIMITと同額。金額据え置きで、利用可能なデータ容量をそのまま無限大に倍増した格好だ。
 
楽天モバイル/Rakuten UN-LIMITのメリット

 4月1日以降、楽天スーパーポイントの付与倍率が最大16倍にアップするSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象サービスにNTTフレッツ網を利用した光ファイバーサービスの「楽天ひかり」が加わり、引き換えに、「楽天モバイルの通話SIMの利用」は「ポイント+2倍」から「ポイント+1倍」にダウンする。大手3キャリアほど強い縛りではないが、楽天モバイルもまた、自社の経済圏拡大のため、モバイル回線と光回線のセット利用を推奨する手を打った。

 Rakuten UN-LIMITは、東京23区、川崎市、横浜市(一部)、さいたま市などの自社回線エリアではデータ使い放題なので、公式な楽天回線対応端末を保有し、そうした都市部だけで生活する層には、メリットは大きい。使いたい場所がほとんどパートナーエリアであっても、いま利用している回線の毎月のデータ消費量が2GB未満で、1年間無料の先着300万人に入れば、どのキャリアから乗り換えても確実に毎月の支払額は下がる。

 開通から1年間が過ぎ、月額料金が発生しても、Rakuten UN-LIMITは、ワイモバイルの「スマホベーシックプラン Mプラン」(キャンペーン適用で12GBなど)よりも、同じ容量なら安価だ。また、MNOとして、海外向けサービスが充実したので、年1~2回の海外旅行・海外出張時に使う2台目としては心強い。
 
楽天モバイルのサービスエリアマップ。東京、名古屋、大阪など、濃いピンクのエリアのみ、使い放題となる
(上・関東エリア拡大、下・全国)

  なお、もう一つの特徴、国内通話・SMSし放題は、電話・メッセージ・SMSを統合したアプリ「Rakuten Link」対応機種は、当初は同社が取り扱うAndroidスマートフォンのみ。正式サービス開始時点では、「無料サポータープログラム」の地域限定が取れただけとみたほうが正しいだろう。楽天側は否定するだろうが、なかなかのスロースタートとなった。ここから急激なエリア拡大を期待したい。(BCN・嵯峨野 芙美)

※初出時、「Rakuten Link」の説明に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
(2020.3.6)