楽天モバイルが3月3日に開催した携帯キャリア事業(MNO)参入の発表会は、新型コロナウイルスの影響でネット動画によるライブストリーミング配信のみとなった。報道向け専用サイトとは別に、一般ユーザー向けの楽天モバイルのホームページでも約5分遅れで配信したこともあり、会見が終了するころには「約100万人がアクセスしている」(楽天の三木谷浩史会長兼社長)状況となり、終了後の16時からのネット先行予約受付にアクセスが集中。18時時点もつながらない状態が続いている。

ライブ配信会見で語る楽天の三木谷浩史会長兼社長
 
アクセス集中で18時時点の楽天モバイルのホームページは閲覧できない状態に

 15時にスタートしたライブ配信の中盤、三木谷会長は「50万人が見ているとのこと。グローバルの仲間が見てるのだろう」と、世界からも多くの人が視聴している途中経過を伝えた。
 
右が報道向け専用サイト、
左が楽天モバイルのホームページに開設されたネット動画で約5分遅れで配信された

 会見内容は、将来的な独自通信ネットワークの壮大な構想から、直近の目玉となる楽天モバイルの料金プランまで多岐にわたった。2月のスペインのバルセロナで開催予定だった「MWC Barcelona 2020」が新型コロナウイルスで中止になり、そこで発表予定だったとみられる実証実験中の宇宙に打ち上げた通信衛星でグローバルを100%カバーする壮大な通信構想や、ハードウエアに頼らずクラウドとソフトウエアだけで実現する完全仮想化ネットワークなども盛り込まれたことが影響したのだろう。

 米ASTとの通信衛星を使った100%のグローバルカバレッジを目指す構想については、世界のどこにいてもブロードバンド環境が実現、台風などの自然災害でも通信ネットワークの環境が確保できるという。
 
通信衛星で100%グローバルカバレッジする通信ネットワーク構想も発表された

 携帯キャリア事業では、楽天経済圏と称される楽天スーパーポイントアップ(SPU)による1億超のIDユーザーを絡めた楽天モバイルの戦略や2020年6月の5G開始予定、そして「世界の主要キャリアで唯一のOne Plan」と三木谷会長が胸を張った料金プランが発表された。

 新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」は、月額2980円(税別)で300万人を対象に1年間無料。楽天モバイルのエリアではデータ使い放題で、そのほかのKDDI(au)のローミングエリアのデータ容量は月2GB(2GB以上は1GB500円もしくは128kbpsの低速)という内容。

 注目された料金プランが、シンプルでわかりやすかったこともあり、視聴者数が100万人まで一気に膨らんだようだ。
 
注目の料金プランは月額2980円(1年間無料)の「One Plan」

 事前のプレスへの会見案内では、ライブ配信と会場の両方で開催する予定だった。しかし、3月2日に急遽、会場開催は中止になり、ライブ配信のみで行われることがアナウンスされた。BCNの記者も事前にID登録を済ませてノートPCの前でリモート会見に備える形になった。

 発表終了後の質疑応答に三木谷会長の姿はなかった。画期的な発表内容と手法ではあったが、会見というよりは一方的な発表になってしまったのは新型コロナウイルスの影響から致し方ないのだろう。

 報道用サイトには質問フォームも用意されていたが、同じような内容の質問が続いた。楽天モバイルの山田義久社長も、「繰り返しになるが」との説明する場面が多かった。通常の会場での会見なら、既に出た質問を繰り返し質問する記者などいないだけに、ネット会見に課題も残った。

 また、宇宙からの100%のグローバルカバレッジ構想が聴く者を魅了する内容だっただけに、会見最後に三木谷会長が「アクセスの集中が心配」と語っていたとはいえ、自社サイトがアクセス集中で閲覧できなくなってしまったのは残念だった。(BCN・細田 立圭志)