【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.24】下取り訴求について、筆者が先日、電子レンジを購入した際に受けた接客を例に、ユーザー視点でポイントを考えてみたい。図は、その接客の全体的な流れをまとめたもの。ここではポイントを説明する。

ポイント1:施策の明確化

 急に電子レンジが故障してしまい、すぐに買い替える必要があったため、チラシを見ることもなく店を訪れた。必要最低限の機能を満たす商品を検討していると「下取りのPOP」が目に入り、そちらの商品に気が移った。

 このように、店頭で新しい情報を発見するユーザーは多い。特に、家電製品はほとんどが買い替え需要なので経年劣化が購入動機になり、事前に情報を収集するための時間が取れないケースも多い。そこで、施策(ここでは下取り)はPOP化して目立たせて、顧客に気付いてもらうことが重要だ。結果的に、接客時間の短縮にもつながるだろう。

ポイント2:融通の利いた対応

 下取りの施策を知らなければ、下取り商品を持って来店する顧客はまずいない。そこで、「下取り商品がないと対応できない」という断りがないよう、担当以外の販売員にも施策の本質である「下取りが目的ではなく、販売が目的」という説明をして事前に共有しておくことが必要である。

ポイント3:自店の手間を省く情報収集

 下取り品を来店時に持ってくる顧客はいないことから、店にとっても引き取った下取り品の保管・処分の手間を考えれば、「お客様自身で処分してもらう」ことがベストだ。下取りというキッカケを与えて単価アップできれば、それに越したことはないはずだ。

 例えば、大阪府高槻市の場合、大型不燃ごみとして電子レンジを出すことができる。これなら費用ゼロで大型不燃ごみの日に出せて顧客にとっても手軽で、後日、わざわざ店に持って行く必要はないだろう。

 また、高槻市の店舗は枚方市からも近い。枚方市の場合、処分に「600円の費用」が掛かる。そのため、販売員は「高槻市ですか?」と問いかけながら、枚方市だった場合、別の提案トークを用意することもできる。

 いずれにせよ、「下取りがあれば2000円引きですよ」といった安易な接客ではなく、販売や単価アップという施策の本質を理解してもらいたい。顧客と自店の負担削減(手軽さ)を考えた接客は説得力があり、顧客の満足感も高まるため、事前の情報収集を実施してトークを組み立てていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。