【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.21】10月に予定されている消費増税をにらんで、家電量販店では駆け込み需要を前倒しで刈り取るために季節商品のエアコンに加えて、冷蔵庫や洗濯機など、高単価商品の拡売に力を入れている。そんな忙しいときに「リフォームの提案?」と思うかもしれないが、白物家電とリフォームの親和性は高い。声掛けしなかったことで、地場のリフォーム業者などに案件を持っていかれる可能性は高い。


 今の時期はボーナス商戦で来店者数が多く、ほとんどが「買い物目的で来店しているお客様」であるため、接客時間をできるだけ短縮して、早く次の顧客対応に移ることが求められる。しかし、来店者数の多いときこそ、リフォームを絡めた追加提案のチャンスだ。

 冷蔵庫がシステムキッチン、洗濯機が洗面所、エアコンがリビングというように、白物家電はリフォームとの親和性が高い。新しい商品の新調に合わせて、その空間も新しくするリフォーム提案は有効というわけだ。

 逆に、白物家電の買い替えタイミング時の提案を見逃せば、訪問型営業に強い地場のリフォーム業者や地域電器店、ガスショップなどに取られてしまう可能性が高い。

 リフォーム業界はプレーヤーが多く、顧客のリピーター率も高いため、一度リフォームをほかの業者に取られてしまうと、そこからひっくり返して再び受注することが非常に困難になる。だからこそ、来店客数が多い今、積極的に声掛けをしたい。

9月30日までに契約・引渡完了すれば消費税率8%

 次に、契約や引き渡しのタイミングによって消費税率の適用が変わってくるので、そのことを店員全員が知っておく必要がある。

 図は、「契約日と引渡日による消費税率の違い」を表したもの。2019年3月31日以前の「契約」、4月1日以後の「契約」で9月30日までに「引渡」の案件は消費税率が8%である。

 これに対し、4月1日から9月30日までの「契約」でも10月1日以降の「引渡」、10月1日を過ぎてからの「契約」「引渡」は10%になるため注意が必要だ。

 このような基本的な内容でも、リフォーム担当者以外は知らないケースが多く、お客様に聞かれたときに担当者を探している間にチャンスロスとなるパターンも少なくない。

 ボーナス商戦中は、担当者もほかの接客で忙しい。チャンスを無駄にしないためにも、この図を店頭訴求してない店舗は早急に掲示するとともに、消費税率以外に負担軽減策や地方自治体の補助金などについても確認して掲出しておくことを勧める。

 リフォーム提案に必要な店舗の役割は、あくまでも「現地調査に回す案件の獲得」である。適用消費税率や負担軽減策、補助金などの基本的なことを押さえていさえすれば、決して難しい提案ではない。顧客の多い時期こそ、積極的にリフォームを提案して獲得につなげたい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。