【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.16】 家電量販の店頭イベントでよく目にするのが、各メーカーとタイアップした販促イベントだが、形式的に実施してマンネリ化していないだろうか。店頭イベントを成功させるにはどうすればいいのか。


 再度確認しておきたいのは、「メーカーイベントは、そのメーカーが自社製品の拡販を狙って実施する」ということ。多かれ少なかれ費用を投じて実施している以上、販売実績が伴わない状態が続けば、その店舗でのイベント実施は見合わせるという判断にもつながってくるだろう。

 こうした事態を避けるには、メーカー主催のイベントでもヘルパー任せにせず、店側が企画段階から遠慮せずに積極的に関与することが望まれる。

 例えば、MCを投入して、商品と絡めて店舗の四方にスタンプを配置して店内を回ってもらうスタンプラリーのケースを考えてみよう。

 スタンプラリーを実施する目的は「お子さまに喜んでいただく」ことにあり、ターゲットは子どもをもつファミリー層である。ターゲットを明確にしたら、次にとるアクションは、その顧客を「どのように誘導するか」を考えること。店内告知やリーフなどで訴求することが必要になってくる。

 さらに、スタンプのある場所まで子どもやファミリーが来たときを考えて、スタンプの周りに「お子さまが握ったら離さない商品」をプランターなどで配置すれば、買上点数も増えるだろう。

 このように、ちょっとした工夫でイベントを盛り上げることができるのだが、ほとんどのイベントで「感動されるお子さま」や「店内告知」を見ることは少なく、淡々と実施している印象である。買上点数を増加させる仕組みに至っては、ほぼ見受けられない。

 店頭イベントを実施する際のチェック項目をまとめると、(1)お子さまに喜ばれ、大人になっても忘れない感動を与える「MCのパフォーマンスはどうあるべきか」の検討、(2)店内訴求の種類とスケジュール化、(3)客単価UPの方法、の三つが外せない。また、それらについてメーカーと打ち合わせをして、すべて数値化・予算化し、役割分担を明確にすることが肝心だ。

 これらの施策は、メーカー任せにしなくても、量販店が深く関与すれば簡単に実現できるだろう。店長の多忙さが尋常でないことは十分に承知しているが、今一度、一つひとつのイベントを大切にしながら実績に直結させていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。