【家電コンサルのリテールマーケティング 特別編】 年末商戦ピークの12月8日、9日が今週末に迫っている。家電量販店で働く店長は、すでに平日であっても展示替えやPOP作成は行わず、「売り」に専念して取り組んでいることと思う。こうした事情を踏まえつつ、「年末商戦ピーク直前の確認事項」として、時間を掛けずに、すぐにできる売り場対策を紹介しよう。

年末商戦ピーク(12月8日、9日)に向けた3つのチェック項目

暖房機器はセルフ購入しやすい売り場に

 店長が今週末までにチェックしておきたい3つのポイントを箇条書きにしてみた。まずは、(1)「持ち帰り暖房器具の効率化」。今年は、11月末の3連休から暖房器具が動き出しているが、困ったことに12月に入っても異例なほどの暖かい日が続いてる。しかし、気象庁の週間予報(12月4日現在)では、7日の金曜日から全国的に気温が低下し、年末並みの冷え込みになるとの予想が出されている。

 顧客は気温に敏感なので、大きな寒暖の落差は暖房器具販売の追い風になることは間違いなく、この土、日は売れるはず。店舗側では、ファンヒーターや電気ストーブなどの持ち帰り暖房器具に人手が取られないように、事前に準備しておくことが大切である。

 例えば、バックヤードまでの行き来のムダを削減するために、少々店内の通路が狭くなっても、可能な限り在庫を店内に積んでおくこと。ナンバーリングも確認し、来店客が探しやすく、セルフ購入できる導線の売り場になっているかチェックしよう。

 特に、石油ストーブは乾電池で使えるため、地震などの災害対策としても売れている。「災害対策!一家に1台常備しよう!」という簡単な手書きPOPを張って、目立つ大きさで山積み展示すれば、衝動買いも期待できるだろう。

 次に、(2)「新4K8K衛星放送のトーク確認」。12月1日に新4K8K衛星放送が開始されたことから、テレビ売り場には既に、下見客が多く来店している。コーナー演出は仕上がっていると思うので、ここでは言及しないが、接客トークを確認しておきたい。

テレビは顧客の最大の関心事を絡める

 顧客が気にしているのは、テレビもさることながら、新4K8K衛星放送で何が見られるのかといった、コンテンツへの関心だ。そうした中で例えば、「4K8Kは東京五輪の放送が予定されています。また、来年の消費増税を考えると平成最後のこの歳末大バーゲン期間中にぜひ、お買い求めください」というように、“事実を事実のまま伝える”ことが重要だ。

 直近で放送される予定の番組を細かく説明するよりも、多くの顧客の関心事である東京五輪や消費増税など、予定されている行事を事実として伝えながら、クロージングに向けて決めに掛かる意識は持ちたい。

 また、テレビは年末・年始の特番に向けて、年末ぎりぎりまで販売が期待できるので、他の商品を販売した際には必ず声掛けするようにし、顧客への認知度を高めよう。こうした取り組みが増販につながる。

一声掛けでアップセルを実施しよう

 最後は、(3)「追加販売(全数一声掛け)の実施」だ。年末商戦の12月は通常月よりも、多くの顧客が「購入を意識して来店する時期」である。また、人間は商品の購入を決めた直後に満足度がピークに達するという心理が働く。この心理をとらえた、アップセル(追加販売)を心掛けたい。

 接客した商品を精算する前に必ず、拡販指定商品の中から一品でいいので、追加販売の一声掛けを行うと効果的である。ただし、しつこい声掛けはかえって逆効果なので禁物。一声掛けは、「経費ゼロの最大の販促策」であることを思い出してほしい。さらっと声掛けし、断られても深追いしないことだ。

 全社員が本気で接客全数で一声掛けを実施すれば、5~10%ほどの売上増は積めるはずだ。来店客数の多い今だからこそ、ぜひ実施していただきたい。

 最後に気にしたいのが「平成最後の…」という、特別感を演出できているかどうかの確認。12月1日に筆者が見た家電量販店の新聞折り込みチラシで「平成最後の…」の文言が入ったチラシは1社のみだった。

 このフレーズは、SNSでさまざまなイベントの告知で使われている他、ツイッターでも今年だけですでに200万投稿という推計値もある。トークで「平成最後の歳末大バーゲン」という一言を伝えることで、例年の歳末セールとは違う「何十年に一度」という特別感、おトク感を演出してほしい。年末商戦の成功を祈る。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。