2018年12月の新4K/8K衛星本放送を間近に控え、テレビおよびテレビ関連市場が盛り上がりはじめた。本放送に対応したチューナーを最初から搭載したテレビ(搭載テレビ)と、既存テレビに外付けで接続する対応チューナー(対応チューナー)の販売が本格化しつつあるのだ。それぞれの初動を、家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングでみていくことにする。


 新4K/8K衛星放送対応チューナーを組み込んだ搭載テレビは、まず、東芝が18年6月に「BM620X」「M520X」の2シリーズを発売。その後は、10月に三菱電機が販売を開始し、11月以降にはシャープも参戦する。有機ELを含む4K/8K対応のテレビ市場における搭載テレビの販売台数構成比は月を追うごとに増加しており、10月時点では12.7%と2ケタ台にのせて、本格的化しつつあることが分かった(図1)。この段階では、シャープの搭載テレビは予約段階のため構成比に貢献できていないものの、これから年末商戦に向けてラインアップの拡大とともに、搭載テレビの構成比は高まっていくだろう。また、搭載テレビのメーカーシェアは、先行して発売した東芝が優位性を維持。10月は東芝が77.2%、三菱は22.0%、シャープが0.8%という状況だ。
 

 一方、すでに4K/8K対応テレビを購入した消費者が本放送を受信するには、別途外付け用の対応チューナーが必要となってくる。これまでデジタルチューナー市場では、新4K/8K衛星放送に非対応のCATV用のチューナーとスカパープレミアムサービス対応の製品が全数を占めていた。しかし、10月にはパナソニックの「TU-BUHD100」とピクセラの「PIX-SMB400」の発売を機に、対応チューナーの構成比は61.9%と急速に拡大していることが分かった(図2)。10月時点での対応チューナーのメーカーシェアをみると、パナソニックが3割程度、ピクセラとソニーはそれぞれ2割強、シャープと東芝が1割といった状況だ。

 本放送への転換点にあるうえ、年末商戦が重なることから、搭載テレビと対応チューナーのラインアップ拡大は必至で、今後、市場は一段と盛り上がることになりそうだ。しかし、先日A-PABが発表したリリースにもあった通り、視聴に前向きな層(ぜひ視聴したい、まあ視聴したい)は4割にとどまり、4Kテレビの所有率は6.0%に過ぎない。こうした本放送に関心を示す積極層が、まずは対象となるが、一通り搭載テレビや対応チューナーが行きわたると、需要は頭打ちになる恐れも否定できない。本放送の持つ魅力や楽しさをきっちりと訴求し、視聴に前向きな層をいかに獲得していくかも、問われることになるだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。