【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.10】 バンドル(bundle)とは、本来は単品で売られている製品を、別の製品を付属して販売することを意味する。インストア・マーチャンダイジング(ISM)の価格主導型プロモーションに含まれるバンドル訴求も、「商品をまとめて購入すれば、1個あたりの売価を引き下げて販売する」という意味で同義だ。

バンドル訴求を効果的に活用する

 例えば、スーパーマーケットで売価100円のアイスクリームが「二つ購入すれば180円」といった訴求をよく目にするが、バンドル訴求の典型である。家電量販店でもよく使われており、筆者も過去にクリーナーの紙パックや乾電池など、いろいろな商品で実施した。とりわけ消耗品は、顧客も「消耗品だから、ついでに…」という意識になりやすいため、効果的である。

 また、「同一メーカーのエアコン3台同時購入で1台半額」といった訴求をよく見かけるが、これも同じだ。
 
バンドル訴求の例

 バンドル訴求のデメリットは、「精算時の金額の打ち間違い」の発生する可能性が高いため、とくに自店の販促で実施する場合は「間違わない仕組み」をつくることが大切になってくる。

 例えばクリーナーの紙パックの場合、「二つなら10%引き」とPOPで訴求するだけだと、レジ担当の暗記に頼ることになり、金額入力の間違いが生じやすくなる。これを防止するには、紙パック二つをナイロンテープでくくりつけて、爆弾POPなどを貼付しておけば間違いを未然に防ぐことができる。ただ、その分、作業の手間がかかるという側面もある。

 また、同一商品のバンドル訴求は、結果的に需要の先食いをしているに過ぎず、トータルの販売数量は変わらないという意見もある。

 しかし、手間がかかったとしても、消耗品の扱いを大切にする店舗には顧客の支持が集まって来店客数に跳ね返ってくるし、消耗品のような小さな売上高でも積み上げれば大きな売上高や粗利益額の確保に直結するため、多少の手間がかかったとしても実施することをお勧めしたい。

 例え需要の先食いだとしても、購入した顧客が次も自店で購入してくれる保証はどこにもない。顧客の家の近くにある店舗は自店だけでなく、商品によってはホームセンターやコンビニでも購入できるからだ。そう考えれば、今、目の前にいる顧客に、今、買っていただくことの大切さがわかるだろう。

 効果的なバンドル訴求は、実は「単品価格」をわかりやすく表示しておくこと。当然ながら、なかには1台だけ購入する顧客もいるため、単品価格の表示があると親切だし、複数台購入する顧客にとっては、割安感を実感してもらうために必要なのだ。ぜひ、バンドル訴求を利用して、客単価を向上していただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。