【家電コンサルのリテールマーケティング 特別編1】家電量販店にとって、8月と9月は年間でも大きな売上ウエートを占める重要な時期だ。特に、盆休み明けの8月後半は家電量販企業の多くが9月末の中間決算を迎えることに加え、季節商品の入れ替え、調理家電の準備など、とても作業量が多くなる。盆休み明けに取り組むべき作業を確認しておこう。


 今年は、10月に予定されている消費増税前の駆け込み需要をどれだけ多く「刈り取るか」だけではなく、「創っていけるか?」がポイントになる。

 もし8月後半から9月末にかけて、思っていたほどの駆け込み需要が発生しなかったとしても、税率アップ後の10月以降の消費は落ち込む可能性が高い。なぜなら消費は気分の問題であり、2%の税率アップは実際の負担額以上に心理的な負担が重くなるからだ。

 この「駆け込み額の減少、10月以降の消費の冷え込み」という難局を打開するには、今までの消費増税前のような「待ちの営業」ではなく、売りをつくっていくという「攻めの営業」が必要となり、8月後半の取り組みが重要になってくる。

 では、最悪の事態を予想して万が一の駆け込み需要が縮小した際は、エアコンや冷蔵庫、4Kテレビ、ノートPCの4品種の取り組みを強化していこう。その際のワンポイントは次の通りだ。

 通常、エアコンは盆休みに需要期を終えるが、猛暑などの影響で例年、需要期間が伸びる傾向にあり、気温と工事能力を確認しながら展示処分の促進と売り場縮小のタイミングを計ることが難しくもあるが、とても重要となる。そのためには、物流センターなどの在庫の確認をマメに行い、売る商品を絞り込むことが望まれる。

 前回の連載でも紹介したように、冷蔵庫は9月中旬まで売れる商品であり、消費者にとって消費増税前に買い替えたい商品でもある。

 「大容量・省スペース」の高付加価値商品を集合展示で訴求しながら、こちらは特定メーカーに絞るのではなく、より多くの冷蔵庫を扱うことでトータルでの単価アップを図ることができれば上出来だろう。

 4KテレビやノートPCは、「2020年、東京オリンピック」「Windows 7のサポート終了、プログラミング必修化」の需要をいかに先取りするかがポイントになる。多くの家電量販店の店頭では既にこのような取り組みがされており、実際にPCがこの夏商戦でも予想以上に動いている。

 しかし、顧客の財布のお金が冷蔵庫やエアコンに流れがちになる中で、さらに4KテレビやノートPCの販売台数を伸ばすにはクレジット訴求と追加提案の徹底がカギとなる。

 「今8%で購入し、金利0」といった訴求を行っている家電量販企業もあるように、無金利クレジットは売り場で最大限に訴求すべきだろう。

 上の図では、8月第4週(8月19~25日)から9月第4週(9月23~29日)にかけて取り組むべき一般的な業務内容をまとめているので、数多い作業と売り場づくりのスケジューリングに活用してもらいたい。今までの消費増税前よりも、さらに積極的な攻めの販売を展開していただきたいと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。