【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.22】ようやく夏本来の暑さがやってきたことで、家電量販の現場ではエアコン販売の真っ只中だ。特に、今年は10月1日から消費税率がアップされるため、エアコンをはじめとした大物商品の駆け込み需要が発生すると考えられる。ただ、エアコンは品切れや工事能力の影響を受けやすく、実売台数が読みにくいという欠点もある。8月、9月にかけて冷蔵庫で数字をつくるという意識も持ちたい。


 通常、冷蔵庫は8月を過ぎて9月に入ってからも大きな売上構成比を占める商品である。エアコンのように需要の大きなピークとなる週こそないが、9月末まで安定的な需要が見込める。そのため、8月、9月の主要商品として「冷蔵庫で数字をつくっていく」という意識で臨むことが大切になる。

 さらに、多くの企業は9月末に第2四半期の中間決算を迎えるため、物流在庫の削減にも取り組むことから、比較的高額な冷蔵庫の価格も買いやすいタイミングになり、消費者にとってお買い得な時期になるだろう。

 この商戦における冷蔵庫の提案ポイントは、顧客に買い物の失敗による後悔をさせないために「省スペース、大容量(450L以上)」のモデルを勧めることである。

 冷蔵庫の平均使用年数は12年といわれており、この約10年間における顧客の年代別ライフスタイルを分類してみると、生活環境や加齢による体力の衰えなどの変化が起こる。

 この年代別の変化を捉えずに接客して、顧客に納得して購入してもらえなければ、時間の経過とともに購入時には感じなかった「漠然とした使いにくさや不満、ストレス」を感じるようになるのである。

 例えば、30代・40代で「お子様の成長」、50代で「体力の衰え」、60代以上で「別居家族の帰省などMAXに合わせた容量や食材の見やすさ」などを考えて提案することが大切となる。顧客の実際の生活の変化に落とし込めば、冷蔵庫の「省スペース、大容量」は各年代に共通して提案できる機能であることが分かるはずだ。

 その上で、30代・40代の顧客なら「共働きで帰宅が遅くても時短調理ができる便利さ」、50代の顧客なら「体力が衰えだしても野菜などの重い食材が取りだしやすい快適さ」、60代以上の顧客なら「今と同じ大きさで、奥まで食材が見えやすくなる安心感」というように、各メーカーの個別冷蔵庫の提案につなげることがポイントになる。

 8月、9月は多くの顧客が来店する時期、お買い得な時期だからこそ、10年先のライフスタイルの変化を見据えて良い商品を提案したい。12年という長期間で毎日使う商品だからこそ、顧客が後悔しない冷蔵庫を提案することがポイントといえる。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。