【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.23】10月の消費増税によって反動減が予想されるが、その時も来店客数を確保するには、顧客に「この店は安い」と感じてもらうことが大切である。この「安さ感」を演出するには、全ての商品を安売りするのではなく、重要なカテゴリー商品を安くする手法がある。その重要カテゴリーの一つが「各消耗品(電池・カートリッジなど)」だ。


 家電量販店側が思っている以上に、顧客は「消耗品の価格」に敏感だ。顧客が来店する動機は圧倒的に消耗品の購入が多いため、特に郊外店は「消耗品の価格で安さ感を演出して来店してもらうキッカケをつくり、来店したら売り場での情報発信で主要商品に気付いてもらう」というストーリーを意識した仕組みづくりが重要になる。

 そのため、競合店の価格調査はとても重要になる。「この店はあの店よりも価格が高い」と判断された瞬間に、プライスを見ただけで店を出ていく顧客も多いからだ。

 冷蔵庫やエアコンのような大物商品の価格調査は、頻繁に調査しているだろう。しかし、(1)異業種小売りでの取り扱い商品と価格、(2)小物商品・消耗品の価格――は見過ごされやすい項目になっている点がミソだ。

 顧客からすれば、同じ消耗品や小物商品であれば、家電量販店にこだわらずにスーパーやディスカウントストアなど異業種店舗も含めた検討が当然視野に入っている。

 また、大物の高額商品なら、専門知識を持った店員からの説明やアフターサービスなどを考えて家電量販店で購入する顧客も多いだろうが、電池やカートリッジをはじめ、電気ポットなどの低単価の消耗品・小物商品は異業種の店舗でも安く売られやすい。価格調査をおろそかにしてはいけない。定期的な実施が望まれる。

 特に、この9月は消費増税直前ということもあり、通常の9月よりも来店客数が増えることが予想される。このタイミングこそ、顧客に「価格の安いお店」という認識を持ってもらうチャンスだし、その取り組みこそが、増税後の客数確保に大きく影響してくる。取り組むべきタイミングは今しかないのだ。

 図は、「ドロシーレーンの法則」と呼ばれ、「どのくらいのアイテム数を安くすれば、どのくらいの顧客がこの店は安いと感じるか?」という比率を示したもの。カテゴリーの18%の商品を安くすれば85%の顧客が、30%の商品を安くすれば95%の顧客が、48%の商品を安くすればほぼすべての顧客が安いと感じる。

 ドロシーレーンの法則を目安に「消耗品が安いお店」という印象を持ってもらい、増税後の来店客数を確保につなげてほしい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。