9月20日発売の新モデル「iPhone 11/11 Pro/Pro Max」では、2017年9月発売の「iPhone 8」以来、製品名に数字表記が復活した。発売日は13年9月発売の「iPhone 5s/5c」と同じ。そこで過去のデータを掘り返し、発売3日間の販売台数を比較した。

2019年9月20日の新iPhone

6年間でナンバリングは「5」から「11」へ カラフルカラバリは昨年から復活

 家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」によると、当時、最高クラスの高性能のカメラや指紋認証機能「Touch ID」を搭載し、初めて主要3キャリアが取り扱ったiPhone 5sは、1年近く販売ランキングのトップを独走するロングセラーとなった。9月20日の発売日から数週間は、ネット上は、まさにお祭り騒ぎだったと記憶している。

 同日に発売した廉価版のiPhone 5cは、初動の鈍さから「不人気」の烙印が押されたが、正確には、主力のiPhone 5sの売れ行きがケタ違いに多かっただけで、スマートフォン(スマホ)全体でみると、決して販売不振ではなかった。だからこそ、廉価版に位置づけられるiPhone XRやiPhone 11で、目を引くカラフルなカラーバリエーションが再び取り入れられたのだろう。

【過去記事】
・「iPhone 5s」は大ヒット、「iPhone 5c」もロングセラーに(2014/9/3掲載)

https://www.bcnretail.com/news/detail/140903_28766.html

一番人気は最もコンパクトな「iPhone 11 Pro」

 3機種の新しいiPhoneの発売3日間(19年9月20~22日)の合計販売台数は、6年前のiPhone 5s/5cの7割にとどまったが、オンライン予約が普及し、主な購入先が最寄りのキャリアショップやオンラインショップにシフトしている影響も少なからず出ていると考えられる。
 

 また、13年はハイエンドの「5s」が8割以上を占めたのに対し、今年は「11」と、トリプルカメラを搭載したハイエンドの「11 Pro」2機種の合計がほぼ半々と、以前とは一転、廉価版の人気が高まっている。
 

 キャリアを問わず、機種・容量ごとに集計すると、iPhone 11 Proの256GBが最も販売台数が多く、一番人気。次に、iPhone 11の64GBと128GBが僅差で並び、少し離れてiPhone 11 Proの64GB、iPhone 11 Pro Maxの512GBの順だった。キャリア別では、今年はauがトップで、ソフトバンク、ドコモと続く。

 新iPhoneはどの店舗にもおおむね在庫があり、目当ての容量(今回は64GB)が完売のため、代わりに、即持ち帰り可能な容量で妥協するケースは以前より減っていると思われる。つまり、発売直後に購入する層は、撮影した写真や動画をたっぷり保存できる大容量モデルを選ぶ傾向が強いといえるだろう。

コモディティ化するiPhone 新製品祭りはすっかり沈静化

 総務省によるガイドライン策定と法律改正により、6年前とはスマホ販売を取り巻く状況が変わり、改正電気通信事業法が施行される10月1日以降、完全に新ルールに切り替わる見込み。スマホ全般の性能向上と価格高騰、回線契約手続きのさらなる煩雑化などを受け、以前より買い替えサイクルは伸びており、対応端末への買い替えが不可欠な次世代高速通信「5G」は普及が危ぶまれている。
 

 実は、19年9月20~22日の3日間に、iPhone 11 Proの256GBに次いで売れたiPhoneは、一部店舗では完売しているiPhone 8の64GBだった。MNPならかなり安く購入できるうえ、重さ194g、画面サイズ6.1インチで幅75.7mmという微妙なサイズの「11」より、重さ148g、画面サイズ4.7インチで幅67.3mmの「8」のほうが使いやすいと判断する層が多いならば、今後も根強く売れ続けるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。