10月1日の電気通信事業法の一部改正により携帯端末と通信料金の完全分離が実施されるのを受け、大手携帯キャリア3社から新料金プランがこのほど出そろったばかりだが、早くも総務相からダメ出しをくらいそうだ。法改正に合わせて総務省が目玉として期待していた楽天モバイルのMNOへの新規参入が実質的に来春まで延期になり、はしごを外されたこともあってキャリアと通信行政による“モグラたたき”のようなせめぎ合いが再び繰り広げられている。

内閣改造で2年1か月振りに戻ってきた高市早苗総務相
(9月12日の大臣就任会見)

 報道各社は、9月17日の高市早苗総務相へのインタビューの中で、ソフトバンクやKDDIの新料金プランを念頭に大臣が「速やかにSIMロックに関するルールを見直したい」と語ったと報じた。SIMロックの解除に向けて早急に法改正する考えを示したという。

 ソフトバンクとKDDIの新料金プランでは、携帯端末と通信料金を分離した上で、携帯端末だけ最大で半額になる料金プランを導入。通信との抱き合わせ販売ではないから、法に抵触しないだろうというわけだ。実際に、両社は新料金プラン発表の会見の場などで、総務省に違法ではないことを確認したことを明かにしている。
 
9月9日に開催したソフトバンクの「半額サポート+(プラス)」の会見

 携帯端末の半額プランは、48回(4年間)の分割払いで契約して、25か月目以降に指定機種を購入すると残債が免除されるというもの。しかも、自社の通信契約で縛らず、他のキャリアユーザーでも契約できることから、完全分離の方針を踏まえているとする。

 ただ、総務省が問題視するSIMロックは、この契約の最初の100日間は自社の通信回線しか使えないことを指している。他のキャリアユーザーは、SIMロック解除の要件である購入から100日を待たなければならない。使い勝手が悪くなることで、結果的に囲い込んでいるのではないかというわけだ。

 しかし、これにはキャリアにも言い分がある。100日間のSIMロックがなくなれば、割賦契約した携帯端末代を一度も支払わずに転売されることなどを危惧しているようだ。

 総務省が期待していた楽天モバイルの10月スタートが、基地局整備の大幅な遅れから最初は5000人を対象にした無償実証実験のようなスモールスタートになってしまい、いまだに料金プランすら発表されていないという影響も小さくないだろう。完全分離を踏まえた新料金プランのスタート時期にもかかわらず、総務省とキャリアのせめぎ合いは、のっけから袋小路に入りそうだ。(BCN・細田 立圭志)