Appleが昨年、「次の10年を見据えた次世代スマートフォン」と紹介した「iPhone X」から始まった、ホームボタンのないフルディスプレイのiPhoneは、これまでの“庶民のiPhone”を“選ばれた人のiPhone”に格上げさせてしまった。9月21日の発売日以降、Twitter上では「キャリア」「iPhone」「契約」といったワードとともに、「審査落ち」に言及する書き込みが目につく。

キャリア経由で購入する場合は、割引適用後の「実質負担額」と、通信料金の合計で比較を。
端末価格・料金プランの詳細は各キャリアのWebサイトで確認できる

 数年前から、携帯電話・スマートフォンは、「24回払いの分割払い(割賦販売)」が定着している。しかし、割賦販売法に基づき、本体価格が10万円を超えると、カードローン同様の与信審査が必要となり、料金滞納などの事故履歴があると審査が通らず、分割払いは不可となる。

 こうした「審査落ち」の判定が出た場合、解決策は、一括払いに切り替え、その場で、現金またはクレジットカードで支払うこと。少なくとも頭金を入れ、24回払いの総額を10万円以下に抑えれば、これまでと同様の簡易審査になるため、「審査落ち」という結果にはならないそうだ。

 6.5インチの大画面モデル「iPhone XS MAX」のApple Storeでの販売価格は、8%の消費税込で、512GBは17万7984円、256GBは15万3144円、64GBは13万4784円。5.8インチの「iPhone XS」は、若干下がって512GBは16万5024円、256GBは14万184円、64GBは12万1824円。端末購入日から30日以内のみ購入できる有料保証サービス「AppleCare+ for iPhone」を同時購入する場合、そこにプラス税別2万2800円(税込2万4624円)かかる。

 AppleCareは、製品購入後1年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償電話サポートを2年間に延長するもの。料金は本体価格に比例して上がり、「iPhone XS MAX/XS」ではついに2万円を超えてしまった。

 Twitter上では、今回の新iPhoneは、本体+AppleCareでMacノートよりも高い贅沢品と揶揄されている。10月発売のカラフルな廉価版「iPhone XR」でも、64GBモデル以外は、本体価格10万円超となるため、注意したい。
 
以前は、ドコモ・au・ソフトバンクのiPhone向けプランの料金体系はほぼ横並びだったが、
今は三者三様となっている

「iPhone XS MAX」の512GBは30代前半の平均年収の約25分の1

 「最新iPhoneは高くて手が出ない……」と憂うなら、1年後、2年後、さらなる高額化が予想されるiPhone新機種購入に向けて、収入アップを図るしかない。

 国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」の調査結果(2016年度)によると、30代前半(30~34歳)の平均年収は、男性457万円、女性315万円。男女あわせた平均は403万円だった。そこから計算すると、「iPhone XS MAX」の512GB(Appleのオンラインでの販売価格:税込17万7984円)は、額面ベースで年収の100分の3.9、100分の5.7、100分の4.4に相当する。
 

 さらに、毎月、大手キャリアなら5000円~1万円程度の通信料金も支払わなければならず、確かに収入に占めるスマホ関連費の比率は高い。しかし、官民合わせて取り組むべきは、特定のキャリア・メーカーを名指しした「携帯電話料金値下げ」ではなく、年齢階層・男女別の平均年収に届かない層の収入引き上げだろう。身近なiPhoneをきっかけに、「おカネ」や「収入」に関する議論のオープン化を願う。(BCN・嵯峨野 芙美)