エディオンは6月5日、同社最大規模となる「エディオンなんば本店」(大阪・中央区)の報道向け内覧会を開催した。オープンは7日。同店は、大阪高島屋の前、なんばマルイ横の旧市立精華小学校跡地に立地し、売場面積1万5539平方メートルの9階建て。久保允誉会長兼社長執行役員は、「本社機能のある大阪に旗艦店をつくって大阪でのエディオンブランドとシェアを高めたかった。今までにない、新しい体験型の家電とアミューズメント性を取り入れた。お客様にワクワクしていただき、また行ってみたいと思ってもらえる店にした」と、念願の出店だったことを明かした。

エディオンの久保允誉会長兼社長執行役員

 年間2000万人の来店を見込む。売上目標は明らかにしなかったが、「来店客数と売り上げが比例することは、エディオン蔦屋家電で実証されている」と、17年4月に広島駅南口の再開発ビルでオープンし、体験型のコト軸店舗として注目された「エディオン蔦屋家電」を例に挙げながら久保会長は採算性に自信を示した。
 
6月7日にオープンするエディオン最大規模の「エディオンなんば本店」

 エディオンなんば本店の構想が持ち上がったのは5年前で、3年前に土地などの契約を結んで事業が具体的に動き出した。その間、「平日と土日、始発から終電まで、カメラを回して、どのような客層が通るのかをマーケティングした」と語るなど、なんば進出にあたって市場調査を徹底した。

 その結果、行き交う人の約3割がインバウンド(訪日外国人旅行客)であることが分かり、なんば本店では約3割をインバウンドを意識した売り場にした。残り7割はエディオンが得意とする40代以上の年配層だけでなく、20代や30代の若い客層やファミリー層が来店しても楽しめるようにしたという。

 また5年前に米国でアマゾンなどネット通販が台頭して、リアル店舗が苦戦したときに、自ら米国市場に視察に行ったことも明かした。「(リアル店舗は)価格の安さだけを訴求し、売り場がメンテナンスされていなかった」との印象を受け、ネット通販で体験できない、来店客の五感に訴えるような店づくりが必要と考えるようになったという。

 久保会長は、「われわれは商品を売るのではなく、商品の価値やそれを使った楽しさを伝える」と語り、ネット通販に負けない、今までにない新しい体験を取り入れた。

三つの世界初、五つの日本初

 こうしたコンセプトを反映したエディオンなんば本店では、三つの世界初、五つの日本初、七つの業界初と、初モノづくしで、それらを体験するだけでも十分に楽しめる工夫が施されている。

 まず、世界初では1階のLGウォールサイネージ。曲面の55インチの有機ELディスプレイが54枚設置され、四季折々の映像が流れる。博多駅にも設置されているが、その2倍の大きさという。
 
55インチの曲面有機ELディスプレイを54枚設置したLGウォールサイネージ

 子どもを持つファミリー層が楽しめる仕掛けでは、7階に設置した人気ゲーム「モンスター・ハンター」のキャラクターのリオレウスが注目。頭部の等身大スケールの立像は世界初で、一見の価値がある。スマートフォンなどで一緒に撮影すれば、子どもも喜ぶだろう。
 
「モンスター・ハンター」のリオレウスの等身大立像

 三つ目の世界初がインバウンド向けの仕掛けとして8階に設置した「忍者屋敷」だ。脱出ゲームをしながら日本文化を体験できる。日本忍者協議会が認定した世界初の施設のようだ。今後は書道や茶道など、日本文化の体験を充実させていくという。
 
「忍者屋敷」などインバウンド向けの施設も充実

 2階のエディオン最大級のeスポーツブースも迫力がある。55インチ9面のマルチモニターを設置した会場は、7月21日に開催される「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI ウイニングイレブン大阪府代表決定戦」の試合会場としても使われる予定で、プロの選手がプレーしたり、一般の人が観戦するのに十分なスペックを整えた。この一角に設けられているコクピット型のMSIゲーミングポットが、日本初の設置となっている。
 
55インチ9面マルチスクリーンのeスポーツブース
 
コクピット型のMSIゲーミングポット

 ほかにも、6階にあるTOTOの節水トイレの仕組みが映像でわかるプロジェクションマッピングやシャワーノズルの体験、エアコンメーカー各社の気流体験など、家電量販店で日本初のコーナーが目白押しとなっている。
 
シャワーノズルの体験コーナー

 さらに、ドローンシミュレーターや卵型イスと一体化したスピーカーシステム、女性向けの大型パウダールーム、リモコンカーの映像とコクピットが同期して運転操作ができるライドオンシステムなど、家電量販初のコーナーも随所に設置した。

 最上階の9階は「ラーメン一座」として、全国各地の話題の9店舗が入り、フロア全体が縁起のいいえびす像のモチーフにするなど「大阪のお祭り感」を演出して賑やかだ。
 
最上階のラーメン一座

 各フロアのコーナーでスポット的に実施する実演販売コーナーも入れたら、体験コーナーの枚挙にいとまがないほどだ。すべてのフロアがエンターテインメント性に富んでいるので、大阪・なんばの話題のスポットとなるのは間違いないだろう。(BCN・細田 立圭志)