スマートフォン(スマホ)決済サービス「PayPay(ペイペイ)」は、5月31日まで引き続き最大2割還元・付与上限1000円の「第2弾100億円キャンペーン」を実施している。筆者は、平日に駅ナカとコンビニ、休日に地元のスーパーを利用しており、PayPayを使う機会がそう多くない。

 ところが、よく使う地元のスーパーの一つでPayPayが使えたのだ。神奈川で創業し、現在、東京・千葉・埼玉を加えた1都3県で店舗を展開する激安スーパー「ロピア」は、トライアルとしてPayPayを今年2月から導入。一部の対応レジに限り、専用バーコードをスマホで読み取り、会計金額を本人が打ち込んで決済できる。地元の店舗のみかと思い、本社に問い合わせると、東京都内の小型店を除く全店で期間未定として試験導入しているとのことだ。
 
4月10日現在、「ロピア」はPayPayが利用できる唯一の食品スーパーだ

 PayPayの第1弾キャンペーン「100億円あげちゃうキャンペーン」は、SNS上で大きく盛り上がり、特に家電量販店に買い物客が殺到、わずか開始10日間で終了した。先行して導入した家電量販店の月次売上報告には、明らかにPayPayのキャンペーン効果と考えられる数字が躍る。

 実はロピアは、これまで「現金オンリー」のスーパーだった。もともとはレジで現金で支払う一般的な方式だったが、新規店舗ではクレジットカード不可の精算機によるセミセルフレジ方式を採用。レジ周辺で「当店ではクレジットカードは使えません」と大きく警告していただけに、店内で「PayPayトライアル中」の案内を見たときは驚いた。
 
千葉県柏市の「コジマ×ビックカメラ 柏店」の1階には「ロピア」が出店。
どちらもPayPayを利用でき、キャンペーン中の今なら最大20%還元だ

 PayPayは、加盟店向けに初期費用・決済手数料・入金手数料すべて0円の加盟促進キャンペーンを展開。家電量販店やコンビニ・飲食店などによるスマホを使った各種バーコード決済の導入は、客寄せや販促の側面が強いが、今回のケースでは、政府や業界団体が掲げる目標通り、「現金決済の店舗のキャッシュレス化」につながっている。手数料無料なら店舗側にデメリットはなく、現金専用精算機とPayPayのコストやレジ効率を比較検証するため、まさに「トライアル」なのだろう。
 
PayPayの場合、ユーザー読み取り方式なら2021年9月まで決済手数料無料。
現金主義の店舗のPayPay導入は実に腑に落ちる

 ちなみに、店舗ロゴで表記された加盟店一覧を見る限り、現時点では、ドコモの「d払い」をはじめとして「楽天ペイ」「LINE Pay」「Origami Pay」が首都圏に出店するスーパーで利用できず、唯一、PayPayだけがスーパーで利用できるとわかった。

 4月9日にスタートした、KDDI初のスマホ決済サービス「au PAY」は今後、スーパーや個人店舗にも拡大する予定という。後発の弱みは、加盟店のジャンルの広さや多さでカバーできるとみているようだ。
 
加盟店一覧はロゴ表記のため、わかりにくいが、スマホ決済は多種多様な業界・業種に広がっている
(上:au PAY、下:Origami Pay)

 また、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン・ペイは、スマホを利用したバーコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」を7月に開始する予定(専用アプリの提供、加盟店のセブン&アイグループ以外への拡大は10月の予定)。7payは、提供中の電子マネー「nanaco」同様、「イトーヨーカドー」「ヨークマート」などのスーパー、「西武・そごう」などのセブン&アイグループ各店で利用できると思われる。今年後半、7payアプリの提供開始にあわせ、スマホ決済サービス間の競争が、普段使いのスーパーを主戦場にした第2ステージに移るのは間違いない。(BCN・嵯峨野 芙美)