【喜びの原点・9】 2015年5月2日、名古屋市内の名古屋観光ホテルでメルコグループ創業40周年を祝う記念式典が行われた。笑顔の従業員たちと一緒に、こぶしを高くつき上げるメルコグループ創業者の牧誠氏の表情は、一つの大きなことをやり遂げたときの笑みを浮かべているようにも見える。不変の理念として掲げた「メルコバリュー」がつくられてから1年がたった感慨深さの表れだったのかもしれない。

メルコグループ創業40周年記念式典にて(2015年5月2日撮影)​​​​​​

 1年前の2014年5月1日に、創業者の魂として、また従業員が共有すべき価値観として定めた四つのメルコバリュー、すなわち「千年企業」「顧客志向」「変化即動」「一致団結」が、『理念BOOK メルコバリュー』として一冊の本にまとめられた。

 この本は、役員、新入社員をはじめとする従業員が仕事や人生で困難や壁にぶつかったときに、いつでも創業の原点に戻ることができる重要な理念BOOKとして共有されている。

 牧氏は、リーダーや社員各々が自分で考える力をもちながら常に自己変革を促し、大きな目標を定める重要性を指摘する。そして「その道が望まないものであっても、目標さえ見失わなければ、到達する手段を見つけられる」とし、「四つのメルコバリューは、道を進むための指標だ」と語っている。

 メルコバリューは、創業者の思いであり、何人たりとも揺るがすことができない創業者の専管事項として息づく。

 「メルコバリューは空理空論でもなければ、私が追い求める理想論でもない。ましてや、私が思い出に浸るための回想録でもない。これまで私が実際に経験してきた出来事から導かれる、会社の在り方を凝縮した言葉だ」

 「私がこれまで新製品を開発したり、新しい分野に挑んだり、あるいは苦境に陥ったときに、その都度、それらに立ち向かって得られた教訓や原則を言葉にしたものだ」

 メルコバリューは、創業者である牧誠氏がメルコグループの永続を願って遺した理念として、また社員が多くの困難にあっても、目標を見失わずに自分の意志で人生を切り開くための理念として、いつまでもメルコグループに生き続ける。(連載終わり/BCN・細田 立圭志)