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いよいよフルサイズミラーレスの本命機「EOS RP」が発売! 市場に与える影響は?

 キヤノンのフルサイズミラーレス一眼の新製品「EOS RP」が3月14日に発売する。フルサイズミラーレスの本命機と目される同モデルは、市場にどのような影響を与えるのか。全国の家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」を基に分析した。

3月14日に発売するキヤノンの「EOS RP」。
小型・軽量ボディとフルサイズ機としてはリーズナブルな価格で注目を集めている

 カメラ市場の低迷が続く中で、唯一堅調に推移しているミラーレス一眼。昨年から台数構成比ではカメラ全体の半分を上回るほどに成長し、各社も一眼レフからミラーレス一眼へのシフトを鮮明にしている。「BCNランキング」でミラーレス一眼の中に占めるフルサイズの台数比率は1割に満たないが、高単価であるが故に金額ベースでは2割を超えている。

 フルサイズミラーレスは2013年に参入したソニーが独占する市場だったが、18年秋にニコンとキヤノンが参戦し、一気に規模が拡大。パナソニックも3月23日に発売の「LUMIX DC-S1」シリーズでプレイヤーに加わり、今後は4社による熾烈なシェア争いが予想される。

 キヤノンやニコンの参入が大きく話題になり、関心の高まったフルサイズミラーレスだが、シェアではまだパイオニアであるソニーが圧倒的に強い。独占は崩れたものの、19年2月においても7割前後のシェアを維持している。
 

 19年2月の機種別ランキングでも、ソニーがトップテン内に6機種がランクイン。一方、キヤノンは「EOS R ボディ」の1機種が3位に入るのみと苦戦を強いられている。
 

 しかし、その状況を覆すだけの可能性がEOS RPにある。その理由がフルサイズ機としては「小型・軽量なボディ」と「リーズナブルな価格」だ。まず、サイズは「EOS R」と比較して、高さが約13.3mm小型化、幅が約3.3mm小型化、重量が約140g軽量化。35mmフルサイズのEOSシリーズとして最小・最軽量をうたう。

 ボディの税別価格16万500円は一般的なカメラとして決して安くないが、フルサイズミラーレスに絞ると十分に魅力的。19年2月に販売となったフルサイズミラーレスの平均単価が23万8642円なので、8万円近くお手ごろだ。

 キヤノンは、昨年3月に発売した「EOS Kiss M」を戦略的なモデルに位置づけ、ミラーレス一眼市場(全体)の年間販売台数シェアNo.1を獲得した。フルサイズに絞った市場でも同じく戦略的なモデルのEOS RPを起爆剤に、トップシェアに至るシナリオを思い描いているはずだ。まずは、新生活需要もある3月下旬の販売初速に注目したい。(BCN・大蔵 大輔)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。