ソニーの独壇場にニコン、キヤノンが加わって競争が激化しているフルサイズミラーレスカメラ市場。2月14日にキヤノンが廉価版の「EOS RP」を発表しラインアップを拡大。同日、パナソニックもライカLマウントをひっさげてフルサイズミラーレスの第一弾「LUMIX S1R、S1」を発表し、主要4社から製品が出そろった。いよいよ本格的な競争の火ぶたが切って落とされ、ガチンコの勝負が始まる。苦戦が続くカメラ市場活性化のカンフル剤として期待が集まるフルサイズミラーレスだが、昨年12月はニコン、キヤノンの参入効果で瞬間的に市場が盛り上がり、レンズ交換型カメラ市場の販売金額が久々に前年並みにまで回復した。ところが1月は再び前年割れに戻ってしまった。

パナソニックが満を持して発売を正式発表したフルサイズミラーレス
「LUMIX Sシリーズ(LUMIX S1)」

 レンズ交換型カメラ市場の回復にフルサイズミラーレスがどの程度貢献しているのか、「BCNランキング」の実売データで検証した。2016年12月のフルサイズ未満の一眼レフの販売金額を「1」として指数化したところ、16年12月のレンズ交換型カメラのそれは「2.13」。それ以降は「1.5」前後で推移していたが、18年に入り右肩下がりのトレンドが鮮明になっていた。しかし、ソニーとキヤノン、ニコンのフルサイズミラーレスが出そろった18年12月は、全体で「1.65」と急激に売り上げが拡大。それまで2桁マイナスが続いていたレンズ交換型カメラ市場の販売金額は、前年比で100.2%と、かろうじて前年並みまで回復した。ただ1月は、販売金額指数が「1.02」と急速にしぼみ、前年同月比も78.3%と大幅マイナスのペースに逆戻りしてしまった。
 

 理由の一つは、フルサイズミラーレスはまだ少数派だということ。レンズ交換型カメラに占めるフルサイズミラーレスの販売金額構成比は1月現在で12.7%に過ぎない。一眼レフと合わせても、フルサイズの構成比は22.7%にとどまる。これだけで市場をけん引し続けるのはまだまだ難しい。市場全体の活性化にはフルサイズ未満のテコ入れが不可欠だ。一方、レンズ交換型フルサイズカメラに絞って販売金額の動きを見ると、やはり昨年12月に突出して伸びたものの、それ以外はほぼ横ばい。16年12月のフルサイズ一眼レフの販売金額を「1」とする指数では、この月に「1.19」を記録したが、それ以降は「1」前後で推移。昨年12月こそ「1.96」と瞬間的に売り上げを伸ばしたが、1月は「0.81」と、こちらも昨年1月を下回った。昨年春以降、フルサイズの一眼レフは落ち込みが激しく、その分をフルサイズのミラーレスでなんとかカバーしている形だ。
 

 12月の勢いが続かず1月に落ち込んだもう一つの要因としては、買い控えも考えられる。この春はパナソニックの参入に加えキヤノンが追加の製品を投入するとの噂も流れていたため、購入を検討しつつも、こうした動きを見極めようという人たちも多かったようだ。正念場は新製品が市場に出そろう3月以降になる。

 今年のCP+2019は特に注目だ。2月28日から3月3日までの4日間、横浜のパシフィコ横浜と大桟橋ホールで開催されるアジア最大級のカメラ・映像の見本市。実際に4社の製品をその場で手にとって確かめたり、試写したりといったことも可能だ。展示ホールでは、火花散るシェア争いの前哨戦を見ることができそうだ。5月にドイツ・ケルンで開催予定だったフォトキナが中止となったこともあり、今年はCP+の存在がより一層際立つことになるだろう。(BCN・道越一郎)