リコーが2月25日に開催した「RICOH THETA Z1」の記者会見では、フォトグラファーの谷角靖氏を交えたトークセッションが行われた。リコーの開発チームのスタッフたちから「絶景ハンター」と称されている谷角氏は、極地でのオーロラ撮影など海外のさまざまな絶景ポイントをカメラに収めている。そんな谷角氏がRICOH THETA Z1を使ってみて感じた言葉が、「インスタ映え」ならぬ「THETA映え」だったという。

左がZ1、右がV。
少し厚くなった程度でCMOSセンサーは1/2.3型から1.0型に大きくなった

 若い人たちに人気のインスタグラムで、多くの人から注目を集めるビビットで見栄えのする「インスタ映え」は、2017年の流行語大賞になるほどブームになったが、谷角氏に言わせれば、それはカメラのフレームに収まるだけの世界感である。

 たとえインスタ上では絶景でも、実際に現地に行ってみると後ろに高速道路があったり、民宿が立ち並んでいたりして、写真のイメージとギャップがあったりする。

 一方で360度の全球体イメージが撮影できるTHETAは、まさに360度の絶景ポイントを探さなくてはいけない。THETA映えは、正真正銘の絶景ポイントを、その場の空気感や臨場感を一緒になって楽しめることができるというわけだ。
 
左からアマナ 執行役員新居祐介氏、フォトグラファー谷角靖氏、リコー 執行役員SmartVision事業本部の
大谷渉事業本部長、リコー SmartVision事業本部THETA事業部の藤木仁事業部長

 1.0型裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、出力画素で約2300万画素相当の360度静止画が撮影できるTHETAシリーズの最上位モデルであるRICOH THETA Z1は、ミドルクラスで1/2.3型センサー、約1400万画素のVシリーズと比べて、画質面で大きく進歩した。外国の街並みを撮影した画像の比較ではVシリーズは全体的に暗く、拡大すると細部の解像度が粗いのに対して、Z1は明るいところは明るく、暗いところはしっかりと暗くメリハリがあり、解像度も高精細だった。

 谷角氏は、「大阪駅の歩道橋で照明が灯った街の夜景を撮影した際は、ダイナミックレンジが広く、建物の中の様子がわかるほどきれいに高精細に撮影できた」と高く評価していた。
 
左がV、右がZ1の画像。
ダイナミックレンジが広くなり明るさと精細感が高まった

 RICOH THETA Z1のターゲット層はフォトクリエイターやパノラマフォトグラファー、ハイアマチュアの写真愛好家のほか、ビジネスユースへの期待も高い。

 今回、リコーは企業CMづくりなどのコンテンツパートナーとして展開するアマナと、360度ビジュアルの撮影者や制作者たちのコミュティづくりや、VRコンテンツの制作ノウハウのシェア、ストックコンテンツの販売による制作者のマネタイズなどを共同で実施することを発表した。
 
ビジネスユースの活躍も広がるRICOH THETA

 ほかにも、不動産会社の物件紹介などでは、360度画像で部屋全体のイメージを確認できるサービスが増えてる。3月からプラグインでリリース予定の「Time-shift Shoooting(レンズ別時間差撮影)」を使えば、これまでのように撮影者が映り込みを避けるために物陰に隠れるといった不便さがなくなる。業界関係者にとって作業効率の飛躍的なアップが期待できる機能となるだろう。

 中古車ディーラー向けでも、車内の様子が分かる360度カメラは活躍する。RICOH THETA Z1なら、車内外のコントラスト差が大きくてもダイナミックレンジが広いので細部までしっかりと確認できる。よくあるフロントガラスから入る明るい光による白飛びや暗部の黒つぶれといった心配がなくなる。今後も、さまざまな業界や分野でTHETAを使った新しいカメラの使い方や楽しみ方が提案されることだろう。(BCN・細田 立圭志)