ドライブレコーダー市場が拡大している。全国の家電量販店やネットショップから実売データを集計している「BCNランキング」によれば、1年以上、販売台数が前年同月を上回っており、特に「あおり運転」による死亡事故が報道された時期は2倍以上を記録した。そこで、家電量販店ではどのように販売を増やしているのか、店舗の担当者に聞いた。

ドライブレコーダー販売台数の前年同月比推移(時系列パネル)

地元住民が来店するケーズデンキ足立店

 舎人ライナーの足立小台駅前に店舗を構えるケーズデンキ足立店(東京・足立区)では分かりやすく親しみやすい応対で、地元住民を顧客として獲得している。このアットホームな接客はドライブレコーダーでも十分に生かされており、「しっかりと説明することで購入していただいている」と木村貴幸副店長は話す。40~60代の来店が多い同店では、ドライブレコーダーの購入者として50~60代が多いとのことだ。
 
ケーズデンキ足立店の木村貴幸副店長

 ドライブレコーダーを購入する際に顧客が気にしているのが、簡単に取り付けられるかどうかだという。そのため、「面倒な配線が不要なモデルを提案している」という。ただ、最近では後ろからの追突事故に備えるため、前方と後方撮影がセットになったモデルが人気を博している。配線が必要だが、「ドライブレコーダーを購入するからには、さまざまな事故への対策を施したいというお客さまが多い」とのことだ。
 
簡単設置の商品を揃えているドライブレコーダーコーナー
 
前方と後方の撮影に対応したモデルが人気

豊富な品揃えで多くの顧客層に対応するビックロ ビックカメラ新宿東口店

 ビックロ ビックカメラ新宿東口店(東京・新宿区)は、ビックカメラの中で最もドライブレコーダーに力を入れている店舗。4階の下りエスカレーター近くにコーナーを構え、来店者が下の階に降りる際に必ず目に留まるようにしている。この導線によって、「前年と比べて2~3倍の販売を記録している」とドライブレコーダー担当の小野沢尚紀販売員は自信をみせる。
 
ビックロ ビックカメラ新東口店の小野沢尚紀販売員

 しかも、さまざまなメーカーの充実したラインアップ。「他店に負けない品揃え」と小野沢販売員はアピールする。これによって、多くの顧客層に対応。30~50代を中心に購入するケースが多く、「1万円以内のリーズナブルな価格の商品を購入する方もいらっしゃるが、人気があるのは機能が充実しているモデル。2万円近くでも購入していただいている」としている。
 
商品が充実していて圧巻だ
 
価格は2極化しているとのこと

 ITリテラシーの高い層やアーリーアダプターが訪問する東京・秋葉原に店舗を構えるヨドバシカメラ マルチメディアAkiba。ドライブレコーダーに関しては、今年春まで爆発的な売れ行きを示し、在庫切れになったケースもあったが、「今は落ち着いている」とマイホーム商品・オーディオチームの三浦海洋グループリーダーは打ち明ける。これは、いち早くデジタル機器に興味を示す層が多く、他店に先駆けて顧客を獲得したからとみられる。
 
ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの三浦海洋グループリーダー

 販売が落ち着いたとはいえ、タクシーや運送などの業者が大量に購入することがあるほか、「パーキングでぶつけられたなど、実際に事故に遭ったり、身近で起こったりしたお客さまが来店してくださっている」。しかも、メーカーのホームページで研究してから、実際に商品を見てすぐに購入するという。最近では、アクションカメラにも使える高価格帯のモデルも人気が出始めており、「ドライブレコーダーの本来の使い方にプラスアルファの機能に期待する」としている。
 
さまざまな商品を揃えたドライブレコーダーコーナー
 
アクションカメラとしても使えるなど新しいモデルにも期待

新規需要が開拓できる

 各店舗によって取り組みはさまざまなだが、「ドライブレコーダーを初めて購入するお客さまが多い」というのが共通の意見だ。新規需要が開拓できる点で、店舗にとっては当面、ドライブレコーダーが重要なアイテムといえそうだ。(BCN・佐相彰彦)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。