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オムニチャネルの試み 「渋谷モディ」と連携したアマゾンのリアル実験店舗

店舗

2018/02/20 17:00

 アマゾンジャパンが2017年12月8日から11日に開催した年末最大のECバーゲンセール「サイバーマンデー」。その期間中、丸井グループが運営するリアル店舗「渋谷モディ」の各フロアの一角を使って、実際の商品を見ながら買い物ができるアマゾンジャパン初の「Amazon Holiday 2017 ポップアップストア」を実施した。


期間限定でオープンした「Amazon Holiday 2017 ポップアップストア」

 昨年話題になった生鮮食品のネット配送サービス「Amazonフレッシュ」の食材を使ったメニューが食べられるなど、ネットでは補えない「体験」を通じた、アマゾン流のオムニチャネルを実践。だが、限定されたスぺースでの展示や買い物手法に課題もみえてきた。
 

78時間の期間限定で渋谷にアマゾンの店舗出現

 「渋谷モディ」そのものが、買い物だけではない「体験」をキーワードにしたライフスタイル提案型の商業施設として「丸井グループ」が2015年秋に改装オープンした店舗だ。アマゾンは、スタートアップなどが期間限定でオープンするポップアップストアという手法を使って、普段はネットで買い物する顧客にリアルな体験を提供した。向かいに建つ「渋谷マルイ」の8Fでは、Amazon Echoのタッチ&トライコーナーも開設した。
 

会場となった「渋谷モディ」。施設自体がコト体験を提案している

<売り場づくり 1>
「ホリデー」のテーマ設定でファションをクロスマーケティング

 4Fの一部スペースを使って「ホリデースタイル」というテーマ設定でファッションを中心に展示。開催シーズンの冬に合わせた商品だけでなく、冬だからこそハワイなど暖かいリゾート地で楽しむという「ビーチリゾート」関連の商品を提案。シーズンに固定されてしまうリアル店舗でよく見られる展示手法とは違う。期間限定のポップアップストアならではの、オールシーズンの展示手法を取り入れている。
 

3Fのファッションコーナーすべてを使うのではなく、
一部のスペースを使ってアマゾン流のクロスマーケティングで世界観を演出

 

リアル店舗ならではの、商品の素材感や質感などを手で触ったりして確かめることができる
 

冬の開催だったが「ビーチリゾート」のファッションも提案した

<売り場づくり 2>
スペースの限界が品揃えの限界に
決済は「QRコード」でサイトに誘導

 78時間開催されたサイバーマンデーでは、2000万以上のセール対象商品や最大50%オフのセール品が最大の目玉。ただ、スペースが限定されたポップアップストアでは、ハガキ大のPOPツールで品揃えをアピールせざるを得ない。カードの商品画像と、サイトの画像の境や違いがわからなくなってくる。試着できない点は「最大30 日間の返品無料」で補っている。
 

購入する場合は、気になった「商品」をピックアップし、カードの画像を見て商品チェック
 

裏のQRコードをスマートフォンで読み取ってアマゾンのサイトから注文する

<売り場づくり 3>納得する体感はゲームや食事
リアル店ならではの「ワクワク感」

 8Fでは「プレイステーションVR」やモンスターストライク、パズル&ドラゴンなどのゲームを楽しむことができた。発売前のコンテンツが試遊できたり、初めて遊ぶときにコンパニオンが丁寧に教えてくれる。
 

「Amazon フレッシュ」の素材を使った限定メニューも用意

 また、9Fではカフェとコラボして「Amazon フレッシュ」の素材を使った限定メニューなど、そこでしか味わえない食事やワクワク感はリアル店舗ならではのメリットだ。(BCN・細田 立圭志)

■店舗データ
運営期間:2017年12月8日~11日
店舗:丸井グループ「渋谷モディ」
フロア:1F、3F、5F、7F-9F
住所:東京都渋谷区神南1-21-3
店員:(アマゾン社員が接客)