アイホン ワイヤレスドアホンのデザインのこだわり

売るヒント

2017/07/13 16:00

 大手インターホンメーカーのアイホンが今年4月に発売したワイヤレステレビドアホン「WL-11」は、親機と子機が無線によるワイヤレス接続のため設置工事が不要で、家電量販店の店頭では持ち帰りの防犯グッズとして提案できる。


アイホンのワイヤレステレビドアホン「WL-11」

 実はこの製品、コンシューマ向け製品として打ち出すために、同社ならではの「覚悟」がデザインに示されている。

 新築マンションや戸建て住宅などデベロッパー向けインターホン市場で、アイホンは約5割という高いシェアを持つ。壁などに設置する際に、施工業者が取り扱いやすくするため、ある工夫を施しているのも人気の理由のひとつだ。

 多くのアイホンの子機は、カメラ部が黒色の縦長の楕円で突起しているデザインになっていて、その周辺を取り外しが可能なカバーで覆っている。

 このデザインは、カバーを着せ替えることでバリエーションの幅を広げるためだけではない。壁や門柱に埋め込み設置する際に、カバーを外せばどの機種でも凹凸なくフラットなデザインに仕上げるための工夫なのだ。これが施工業者から重宝される。
 

施工業者に好評の集合住宅向けの子機

 ただし、設置時に気が利く機能でも、子機正面のデザインの自由が利かなくなるというデメリットもあった。「WL-11」は見てもわかるように、カメラ部に取り外し可能なカバーはなく、製品と一体化したヘアライン仕上げだ。商品企画室商品企画課の水谷准也主事は「高級感のあるデザインが店頭で一目でわかるようにしたかった。ディーラー様との商談でもデザインを評価いただけることが多い」と語る。

 一見、何気ないデザインのようだが、一般消費者の感性に訴える製品に仕上げるための同社ならではのこだわりが隠されている。(BCN・細田 立圭志)