<Product History>マルコメ プラス糀 甘酒メーカー糀美人

売るヒント

2017/02/24 12:00

 1854年(安政元年)創業の老舗食品メーカーであるマルコメの「プラス糀 甘酒メーカー糀美人」が、家電量販店の調理家電コーナーで人気だ。マーケティング本部 広報部PR課 尾田春菜氏に、開発のきっかけを聞いた。

取材・文/細田 立圭志、写真/瀬之口 寿一

◇想いを語る人
 

マルコメ
マーケティング本部 広報部PR課 尾田春菜氏

動画インタビュー
 

(1)家では難しい「甘酒」

 美容・健康ブームで火がついた「甘酒」を家庭でつくるには、炊飯器の蓋を開けたままガーゼで内釜を覆い、ご飯と米糀を55℃で8時間保温するなどの難しさがあった。一方で「甘酒メーカー」の構造は、40℃で5時間保温する方法の「ヨーグルトメーカー」とまったく同じ。「甘酒」と「保温器」が結びついたのは、味噌を扱う1854年(安政元年)創業の発酵食品メーカーならではの発想だった。
 

プラス糀 甘酒メーカー糀美人 糀美人 MP101

(2)女性向けデザイン

 女性受けする製品名「糀美人」も絶妙だ。「米」の字を生かした「糀」のロゴデザインは女性社員たちの話し合いで決まった。味噌に欠かせない「米糀」は、腸内の悪玉菌と善玉菌のバランスを整える作用をもち、エイジングケアをサポートする抗酸化物質を含むなど女性の健康・美容に訴える。
 

(3)製品周りの展示

 スペックと価格比較による横並びの展示手法が多い家電製品と異なり、食品スーパーで鍛えられた周辺アイテムを使った郡展示のうまさが光る。健康や美容にいい「糀」の世界を演出している。
 
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年3月号から転載