埼玉県所沢市を舞台に、家電量販店の競争が激化している。これまで出店していなかったケーズホールディングスも、3月23日に「ケーズデンキ所沢店」をオープンして参戦。激戦エリアの勢力図が変わりそうだ。

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ケーズ初の所沢市の店舗となる「ケーズデンキ所沢店」

今でも「YKK戦争」が続く所沢周辺エリア

 西武池袋線と西武新宿線が乗り入れる所沢は、急行で池袋まで約30分、新宿まで約40分と通勤に便利なことから、ベッドタウンとして人気だ。

 2017年2月末の所沢市の総人口は34万3835人、世帯数は15万5858世帯。市の統計によると、1955年(昭和30年)の人口5万6518人、世帯数1万691世帯から毎年増え続けており、人口で前年割れを記録したのは前年比99.9%だった2013年だけ。世帯数の前年割れは一度もない。

 「埼玉県所沢市年齢別人口調書」によると、2016年12月末時点で、全世帯数に占めるボリュームの厚い年齢層比率は40歳~45歳と45歳~49歳で、いずれも17.9%、65歳~69歳で17.4%と、ファミリー層やアクティブエルダー層が多く占める。

 また、経済産業省の商業統計(14年7月)では、所沢市の小売業の年間商品販売額は2689億8000万円で、埼玉県内ではさいたま市、川口市、越谷市、川越市に次ぐ5番目の規模を誇る。

 これらのデータからもわかるように、所沢市は小売業にとって成長し続けている魅力的なマーケットで、家電量販店が見逃すはずはない。

 「ケーズデンキ所沢店」の周辺3km圏内には、ヤマダ電機のテックランド イオン所沢店、コジマ×ビックカメラ所沢店、ノジマ 新所沢パルコ店、ジョーシンアウトレット所沢店、PC DEPOT所沢店の5店舗がある。さらに外側をノジマ 東所沢店、ノジマ 所沢本店、ヤマダ電機テックランド入間店、コジマ×ビックカメラ所沢西店の4店舗が囲む。
 
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直線距離で「ケーズデンキ所沢店」から約1kmの近さにある「コジマ×ビックカメラ所沢店」

 ヤマダ電機、コジマ、上新電機、ノジマ、PCデポの5社がひしめき合い、ヤマダ、コジマ、ノジマに至っては複数の店舗を出店する。まさに1990年代から2000年前後にかけて繰り広げられた北関東のヤマダ電機、ケーズデンキ(97年までカトーデンキ)、コジマによる「YKK戦争」が、今でも展開されている熾烈なエリアなのだ。

 新たにオープンした「ケーズデンキ所沢店」は、ヤマダ電機の地元、群馬県伊勢崎市のケーズデンキ伊勢崎店の店長を務めた経験もある安藤正人店長のもと「お客様の印象に残る接客」に力を注ぎ、他店との差別化を図る。
 
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3月23日にオープンした「ケーズデンキ所沢店」の店内

 周辺には、西に入間店、東に新座店、南に東久留米店があるが、いずれも7~8キロほど離れている。空白地帯だった所沢市への満を持しての出店で、ドミナント戦略のピースが埋まる形となったケーズデンキ。顧客がどのように判断するのか、激戦の行方に注目だ。(BCN・細田 立圭志)