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「街角景気」は6カ月連続で改善、10月は2014年1月以来の水準に

データ

2020/11/12 21:00

 三井住友DSアセットマネジメントは、マーケットレポート「『街角景気』は6カ月連続改善し14年以来の水準」を11月11日に発行した。

10月の「街角景気」では、現状判断DI・先行き判断DIとも大幅に改善

 「街角景気」とも呼ばれる「景気ウォッチャー調査」は、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店といった地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2000人を対象に行っている調査。

 10月の街角景気によれば、現状判断DI(季節調整値)は「Go To トラベル」で東京発着も対象になった影響などから、前月比で5.2ポイント上昇し、54.5と6カ月連続で改善し、2014年1月以来の水準となった。

 項目別では、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てが改善したが、家計動向関連では小売、飲食の改善が目立つ。

 先行き判断DIも、前月比で0.8ポイント上昇の49.1となり、家計、企業、雇用いずれも改善したものの、新型コロナウイルス感染症に対する不透明感などから、いずれも小幅な改善にとどまった。

 街角の声を客観的に分析する、独自のテキストマイニングによる分析手法によれば、ウォッチャーの現状判断に関するコメントにおける単語の使用数は、ポジティブな単語の使用比率がネガティブな単語を2カ月連続で上回っている。「キャンペーン」(Go Toキャンペーン)が大幅に増加しており、景況感への影響の大きさがうかがえる。

 先行き判断では、ポジティブな単語の使用比率がネガティブな単語を6カ月連続で上回り、現状判断と同様に「キャンペーン」が増加。新型コロナウイルス感染症に関する用語の使用数は、さほど減少していない。

 内閣府は、街角景気の基調判断を「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、着実に持ち直している」と、「持ち直している」から変更しているが、先行きについては「感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている」と変更していない。

街角景気の現状判断は大幅に改善してきたものの、新型コロナウイルス感染症の感染が再度拡大する方向にあり、先行きについてはやや慎重な様子がうかがえる。