JCSSA(日本コンピュータシステム販売店協会)は6月10日、「第11回JCSSA景気動向調査」の結果を発表、日本を代表するIT業界の会員企業の景況感が前回11月の調査に比べ軒並み悪化している実態が明らかになった。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み状況についても合わせて聞いたところ、DXが収益向上に貢献するとの期待度が高かった。

 景況感については、「現状の景況感DI」が29.0と前回比で30.0ポイント減と大きく悪化。「半年後の景況感見通しDI」についても、-16.0と前回比で51.8ポイント減と激しく悪化した。「次期設備投資DI」についても、33.2と前回よりも18.7ポイント減の悪化。また、「新卒採用DI」は23.2と前回比6.3ポイント減、「中途採用DI」も47.1と6.7ポイント減を記録、小幅にとどまったものの、いずれも前回調査比で後退した。一方、「賃上げDI」は58.0で1.6ポイント増、「賞与DI」も41.4で3.6ポイント増といずれも前回値を上回った。
 

 景況感が急激に悪化している要因として、米中貿易摩擦の影響がありそうだ。調査の期間は5月8~23日。最中の5月15日は、米商務省がファーウェイ本社と関連会社を「エンティティリスト」に追加すると発表した日。翌日から米企業からの輸出を事実上禁止する措置を執ったタイミングに重なる。

 調査では、「業績に影響が大きいと思うもの」についても聞いている。トップは「設備投資の増加」で59.4%だったが、2位が米国の情勢で56.5%(前回45.5%)、3位が中国の情勢が53.6%(同33.3%)と、いずれも前回比で大きくポイントを伸ばしており、ファーウェイ関連の問題が各企業の景況感に色濃く影を落としている可能性が高い。

 一方、調査ではDXへの取り組み状況も聞いた。DXの定義を、「将来の成長、競争力の強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に変革すること」(経済産業省「DXレポート」)とし、会員企業各社に取り組みの実態をまとめた。

 DX関連ビジネスがどの程度収益に寄与するかについては、「大いに寄与する」が29.2%、「ある程度寄与する」が52.2%で、合わせて81.2%が寄与すると回答。関連ビジネスへの期待の高さを伺わせた。

 また、会員の顧客企業のうちDXに取り組んでいる企業の数については、「20%未満」が31.2%と最多だった。次いで高かったのが29.0%の「わからない」。まだ手つかずの部分も多く、DXビジネスの可能性の高さを示した。また、収益向上の可能性の高い分野については「クラウド関連」(69.6%)、「IoT関連」(64.3%)、「AI関連」(60.7%)などが高かった。
 

 さらに、会員企業自身のDXへの取り組みについては、79.8%が重要と回答。実際の取り組み状況については、「すでに取り組んでいる」(28.3%)、「取り組むべく準備を進めている」(28.3%)で、DXに積極的な企業が過半を占めた。一方、DXに取り組む際の障害については「担当する人材の不足」を挙げた企業が65.4%にも及んだ。また、「DXの費用対効果が不明瞭」(43.3%)も次いで高かった。(BCN・道越一郎)