日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は12月3日、会員のIT企業を対象として11月に実施した「第10回JCSSA景気動向調査」の結果を発表した。それによると、80.0%の企業が技術系人材が不足していると回答。今後、人材不足を解決する手段として、多くが中途や新卒の採用でカバーするとしながら、およそ6割は「働き方改革推進による生産性の向上」に取り組み、解消を目指すとした。「AI・RPAの活用などによる生産性の向上」も4割を超えた。基本的には採用でまかないつつ、現有勢力の生産性向上で乗り切ろうとする考えも明らかになった。

人材不足の解消には生産性向上への期待が高い

 不足している技術系人材の内訳は、プロジェクトマネジャーやネットワーク系の人材が過半を占め、開発系も5割弱を占めた。対策として、中途や新卒などの採用でまかなうとした回答が上位を占めたが、「働き方改革推進による生産性の向上」も49.0%となり、3番目に多かった。今後取り組む予定では、同様に中途(86.2%)や新卒(57.9%)が上位を占めたが、働き方改革も57.2%に達し、AI・RPAの活用も41.4%と4割を超え、生産性向上への期待の高さが浮き彫りになった。
 

 また、突出した技術を持つ人材の採用意向について聞いたところ、78.2%と大半の企業は「人事制度の枠内」なら採用したいと答えた。一方「破格の処遇であっても採用したい」とする企業は17.9%にとどまった。人事制度を柔軟に運用できると思われる年商10億未満の企業では31.6%にのぼり、最も積極的。年商500億以上の企業でも20.0%が破格の処遇であっても採用したいと答えており、突出して優れた技術者を求める機運は高まっているようだ。

景況感DIは5月比で軒並み大きなマイナス、設備投資や採用関連のDIは微増

 景況感判断についてのDIでは、5月実施の前回調査に比べ軒並み減速傾向で、景況感が悪化していることが分かった。「現状の景況感DI」は59.0と前回比マイナス10.0ポイント。「半年前との景況感比較DI」も同41.0と9.6ポイント後退した。「半年後の見通しDI」も9.5ポイントマイナスの35.8で徐々に先行きの不透明感が強まっている。

 「次期設備投資DI」については、3.3ポイントプラスの51.9、「新卒DI」もプラス3.2の29.5、「中途採用DI」もプラス2.4の53.8と、投資関連ではいずれもプラス圏を維持した。一方賃上げや賞与については後退。「賃上げDI」がマイナス14.5ポイントの56.4、「賞与DI」もマイナス11.5ポイントの37.8にとどまった。
 

 JCSSAでは「国内経済は回復基調は続いているものの、7-9月期の実質GDP成長率はマイナス0.3、年率換算でマイナス1.2と回復にブレーキが掛かり始めている。同期の名目GDPも550兆円と頭打ちになってきた。足元では、米国のトランプ大統領が仕掛ける米中貿易戦争に端を発する経済縮小と日本への影響を懸念する見方もあり、ディフェンシブな空気がより濃くなってきた」と分析。しかし、今回の調査は、10月10日に発生した米株暴落の影響が残る中で実施されており、伸び悩み始めた回復の足取りと株価、さらにその要因ともなった貿易環境の悪化懸念がDI値を押し下げ、先行きの不透明感も増した、としている。

 調査は2018年11月1日~11月16日、JCSSAの会員企業のうち209社を対象にインターネット上で実施。156社から回答を得た。