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楽天・au・PayPayのスマホ決済対決はブランド対決へ ドコモはどう出る?

 Zホールディングス、Zフィナンシャル、ソフトバンクの3社は7月31日、2020年秋以降順次、各社傘下の金融事業会社6社のサービス名を「PayPay」ブランドに統一すると発表した。ブランド統一によって、急成長するスマートフォン(スマホ)決済サービス「PayPay」のユーザーを取り込み、PayPayアプリは、生活を便利に豊かにする「スーパーアプリ」化を目指す。

 6社が提供するサービスのうち一部は、新ブランドのもと、スマホユーザー向けに、新たなサービスを立ち上げる。一方、PayPayカードに社名変更する現ワイジェイカード発行のYahoo! JAPANカード(ヤフーカード)は引き続きサービスを提供し、新たに「PayPayカード」を発行する予定。PayPayを後払いでお得に利用したいなら、ヤフーカードか、新カードのPayPayカード推奨という流れになりそうだ。
 
金融事業会社6社のサービス名を「PayPay」ブランドに統一する

ドコモ銀行だけがない……

 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、今年1~7月の累計で、スマホのキャリア別販売台数は、KDDI(au+UQ mobile)、ソフトバンク(SoftBank+Y!mobile)、ドコモ、楽天モバイルの順。1位のKDDIと2位のソフトバンクは僅差となっている。オンライン申込が多いと思われる楽天モバイルは、集計期間の関係もあり、1%未満にとどまっている。

 Zホールディングスに先立ち、KDDIは三菱UFJ銀行と共同出資して設立したオンライン銀行「じぶん銀行」を「auじぶん銀行」に2020年2月に商号変更し、金融・決済サービスをauブランドに統一。PayPayをスマホ決済にとどまらないブランドに拡張する試みは、もともとキャリア競争の側面が強かったスマホ決済サービス競争の新たなステージの始まりといえるだろう。
 
主要3キャリアと金融・決済サービスの関係
 
楽天モバイル(MNO/MVNO)と楽天の金融・決済サービスの関係

 こうなると、気になるのがドコモの出方だ。dポイントがたまる・使えるポイント運用・投資サービスや、スマホ決済サービス「d払い」の一機能としてウォレット機能(ポイントや口座残高の送金機能)は提供しているものの、今のところ、ドコモのサービス共通の「d」を冠したオンライン銀行/証券会社はない。

 1~2年以内にドコモの銀行というべき新たな銀行の立ち上げがあるのか、資産運用を敬遠する自社のユーザー層にあわせ、ソフトバンクやKDDIの後追いはせずに、今後も他社との提携のみにとどめるのか、今後の動向に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。