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下火になったMNPの救世主!? 「通信×金融×インフラ」セット割のインパクト

 【2020年予想 第1回(全3回)】 高額商品の代名詞、住宅は、たいていの場合、住宅ローンを組み、自己資金と住宅ローン借入金をあわせて土地代を含む住宅購入・建築費用、諸費用を支払う。住宅ローン金利は金融機関・金利プランなどによって異なり、営業担当者に交渉して物件価格を値切るより、少しでも金利や手数料の低い金融機関の住宅ローンを自力で探して契約したほうが実質負担額は下がる。

ローン契約者限定、電気料金に応じてポイントがもらえる「じぶんでんき」

 KDDIは、「通信とライフデザインの融合」を掲げ、じぶん銀行(20年2月9日にauじぶん銀行に商号変更予定)の住宅ローン新規契約者・既存契約者向けに、12月1日から電気サービス「じぶんでんき」の提供を開始した。試算によると、住宅ローンとセットでじぶんでんきを30年間継続して利用すると、住宅ローンの借入金額3000万円・借入期間30年で約14万円も利息に差がつく。しかも、同じ借入期間なら借入金額が多いほど、セット割非適用時との利息の差は広がる。
 
「じぶんでんき」をセットで利用するメリット
 

 さらに、スマートフォン(スマホ)・携帯電話・auひかりなど、auサービスを契約するか、au WALLETアプリから発行したau IDを保有していると、au WALLET ポイントで毎月の電気料金の0.5%が還元される。もし、燃料調整費・消費税などを抜いた電気料金が月額5000円なら25ポイント、1万円なら50ポイントゲットでき、au WALLET ポイントは、スマホ決済サービス「au PAY」の支払いに充当できる。
 
au WALLET ポイントももらえてダブルでオトク

 住宅業者が開催する無料セミナーでは、ファイナンシャルプランナー(FP)が税制や資金計画の立て方、ライフプランニングの考え方などについて解説する。セミナー形式ではなく、1対1で個別にアドバイスするケースも多い。

 しかし、じぶんでんきのようなサービスが登場した今、住宅ローン選びをアドバイスするFPには、大手キャリアと呼ばれる4社(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク/ワイモバイル・楽天)が提供する最新の金融関連サービス・お得なプログラムに関する知識が欠かせなくなった。巷のFP全員にその知識があるかどうかは不透明だ。

 12月9日からは、Yahoo! JAPAN ID保有者を対象に「ヤフーの住宅ローン」もスタートした。提携するジャパンネット銀行が提供する住宅ローンに、Yahoo! JAPANユーザー専用の特典を付けた商品で、KDDIがau既存ユーザー向けに提供する「au住宅ローン」と仕組みは全く同じ。SBIグループとZホールディングスグループによる金融サービス事業の業務提携発表時から予想していた内容そのままだったが、時期がだいぶ早くて驚いた。
 
「ヤフーの住宅ローン」では、毎月500円を最大5年間キャッシュバック。
LINEとヤフーが来年10月に経営統合すると、ますます通信とサービス、金融の融合が進みそうだ

インフラをまとめて便利 それはこれまでにない強固な「縛り」

 ソフトバンクもまた、「通信×金融×インフラ」セット利用者向けの還元サービスを開始。19年12月6日にスタートした2020年の「SoftBank学割」に加入すると、プラスαの特典として、「おうちでんき」の利用料金の10%相当または月額1000円を月額利用料金から割り引く。
 
1回線につき毎月100円(3年目以降は50円)割引となる「おうち割 でんきセット」を提供中。
さらに子どものいる層に向け、「電気も光もモバイルもセットで利用するとお得」と打ち出す

 こうした電気利用量(料金)に応じたポイント進呈や他サービスとのセット割引は、16年4月の電力小売全面自由化を機に本格化した。電気や水道などのインフラは、どこか一つのサービスを契約すれば間に合う。だからこそ、セットプランは、そのキャリアを使い続ける、かなり強力な「縛り」となり得る。
 
今や生活の中心のスマートフォン。
セット利用で得するサービスも増えている

 もし今後、今は電気料金のセット割引を提供していないドコモが、利用金額に応じてdポイントがたまる電気サービスや、オンライン上で審査から契約まで完結するネット住宅ローンを開始したら、4キャリア全て住宅ローン商品が揃い、各社ともますます「通信×金融×インフラ」を全面に押し出すはずだ。来年2020年は、金融またはインフラ関連カテゴリで、ドコモが新たな施策を打つと予想する。(BCN・嵯峨野 芙美/ファイナンシャルプランナー)