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ファーウェイのスマホにシェア回復の兆しも、米中貿易摩擦で受難の時期続く

データ

2019/06/16 18:00

 スマートフォン(スマホ)の販売台数でファーウェイのシェアに回復の兆しが見えてきた。全国の家電量販店ECショップからPOSデータを集計する「BCNランキング」で集計したところ、6月3日週(6月3日~9日)の販売台数シェアが6.2%を記録。前週の5月27日週(5月27日~6月2日)の3.6%から2.6ポイント上昇した。


 米商務省は5月15日、ファーウェイ本社と関連会社69社を「エンティティリスト」に追加、翌16日から米企業からの輸出を事実上禁止する措置を執った。ファーウェイの新製品P30シリーズは、5月24日発売の予定だったが、禁輸措置の影響でキャリア各社や一部販売店で発売を延期する動きが広がった。

 アマゾンでも一時直販を停止していた。しかし、6月に入ってアマゾンが直販を再開。ファーウェイのシェアが徐々に戻り始めている。とはいえ、アマゾンの製品ページには依然として「本製品はOS(オペレーションシステム)等についての懸念が発生しています」という記述が残っており、シェアも本格回復には至っていない。

 ファーウェイが日本のスマホ市場で一気に存在感を高めたのは、18年6月に発売したP20シリーズ。これを原動力にアップルに次ぐ2位まで販売台数シェアが上昇、発売翌月の7月には15.2%と過去最高のシェアを記録した。以降シャープと競りながら10%前後を維持していた。

 ところが、18年12月、孟晩舟CFO(最高財務責任者)がカナダで逮捕されたのをきっかけに、ファーウェイに対する否定的な報道が飛び交い、翌月の19年1月に6.4%までシェアを落とした。その後、徐々に回復しながら4月に11.3%と2ケタシェアに復帰した。

 その矢先の出来事が今回の禁輸措置だ。米中貿易摩擦の激化に伴って、事態は長期化するおそれもある。6月末に大阪で開かれるG20で米中首脳会談が実現すれば、事態が進展する可能性もあるが、ファーウェイにとっては当面受難の期間が続きそうだ。(BCN・道越一郎)
 
ドコモから発売予定のHUAWEI P30 Pro。フラッグシップモデルの新製品だ。
Leicaの4つのカメラを搭載するのが特徴だが、発売延期は続いている


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。