【上海発】 中国通信大手のファーウェイでコンシューマビジネスを統括するコンシューマー・ビジネス・グループの邵洋(Shao Yang)最高戦略責任者は6月11日、中国・上海で開催中の家電を中心としたエレクトロニクス製品の見本市「CES ASIA 2019」の基調講演で、不透明感が漂う米中貿易摩擦の行方に直接言及をしなかったものの「複雑な心情にある」と語った。

ファーウェイ コンシューマー・ビジネス・グループの
邵洋(Shao Yang)最高戦略責任者

 邵最高戦略責任者は21年前にエンジニアとしてファーウェイに入社し、インターネットなどの通信事業を担当。直近の約5年、販売やブランド構築、事業戦略に従事してきた。自ら、「21年間、私が誰であるか誰も知らなく静かにしていた」と語ったように、公の舞台で語るのは初めてだったようだ。

 「販売担当になって、この20日間はプレッシャーはどうですか、健康に気を付けてくださいなど多くの方に声をかけていただくようになった」と語るなど、米中関係の悪化で渦中にあるファーウェイの事業責任者として複雑な心境にあることを示した。

 一方で、創業者の任正非氏が「今はファーウェイにとって危険なときではなく、いい状態にある」と語ったというエピソードを披露しながら、20年前の入社当時に社員みんなが会社に寝泊まりしながら夜遅くまでバグの修正などをして進歩してきた様子を、当時の社員の写真を示しながら振り返った。
 
20年前の入社当時を振り返った

 コンシューマ事業の中軸になるスマートフォン(スマホ)事業については、「今年の第1四半期で世界2位になり、本来は第4四半期に世界1位になる予定だったが、今は少し時間がかかりそうだ」と語った。

スマホ中軸のプラットフォームを推進

 今後のファーウェイの事業戦略については「1+8+N」という構想を示した。あくまでもスマホを「1」の中軸に据え、自動車やテレビ、タブレット端末、PC、オーディオ、ヘッドホン、メガネ、スマートウオッチの8製品と連携していく世界を提示。さらに周辺に広がるそれぞれの産業とも連携していく。
 
1+8+Nの構想

 1+8+Nを推進していくことで、製品カテゴリーごとの垂直統合なアプリなどのソフト開発やビジネスモデルを、それぞれがシームレスに水平展開していけるという。

 こうしたIoTによるデバイス間の連携を実現していくため、「ファーウェイはスマホ以外のハードをつくらない」と語り、あくまでもスマホを近づけるだけで異なるメーカー同士の機器がつながるスマートホームのプラットフォームにもなり得る「ファーウェイ HiLink」の開発を進めていくという。(BCN・細田 立圭志)