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新4K8K衛星放送が開始、視聴方法の認知度は約25%、開始セレモニーには深田恭子さんも登壇

販売戦略

2018/12/03 18:30

 2018年12月1日午前10時、16チャンネルで新4K8K衛星放送が始まった。専用の設備を整えれば、これまでの放送よりも高画質な映像が楽しめるようになる。放送業界をはじめ、テレビや周辺機器メーカー、販売事業者から、新たな販促材料として期待を集めているが「視聴するには対応チューナーまたは4Kチューナー内蔵テレビが必要である」と知っている人は、11月の時点で24.8%だった。

2018年12月1日に開催した「新4K8K衛星放送 開始セレモニー」

 2003年の12月1日に開始した地上デジタル放送の際は、既存の放送が視聴できなくなるということで、テレビや対応チューナーなどの周辺機器市場がにぎわった。一方、今回の4K8K放送は現行の放送への追加要素なので、15年前ほどの経済効果は期待できない。しかし、12月1日に開催された「新4K8K衛星放送 開始セレモニー」では、登壇者が口々に「4K8K普及のカギはコンテンツの充実」とコメントしていた。
 
16チャンネルで新4K8K衛星放送がスタート

 セレモニーに登壇した石田真敏総務大臣は、関係者に感謝を述べ、「これからの課題は4K8Kの普及。魅力ある番組を提供していただき、さらに盛り上げていきたい」と語った。日本放送協会の上田良一会長は、4K8K放送開始時を「歴史的な瞬間を迎える」と表現し、「スペシャルな感動を届けることで、2020年の本格普及に向けて新しい価値を届けられるよう努めていく」と話した。
 
石田真敏総務大臣(左)と日本放送協会の上田良一会長

 日本民間放送連盟の大久保好男会長は、「経営的には厳しい中でのスタートになるが、魅力あるコンテンツが普及にとって大切。各局が切磋琢磨して番組を作れると確信している」と述べた。電子情報技術産業協会の柵山正樹会長は、「東京五輪まで2年を切った。新4K8K衛星放送の開始で、奥の視聴者がさらに豊かな生活を実感できるような環境を目指す」と展望した。
 
日本民間放送連盟の大久保好男会長(左)と電子情報技術産業協会の柵山正樹会長

 各分野から期待を集めるなか、「4K」という言葉を「知っている」のは、18年11月の時点で63.2%。17年7月以降高止まりしているという。視聴意向については、「ぜひ視聴したい」が11.2%、「まあ視聴したい」が30.9%だった。17年7月に比べると、どちらも5ポイントほど増加している。
 
4Kの認知率

 18年11月時点の4K・8Kについての理解は、「今年12月から、BS・CS(110度CS)で4K8K放送が始まる」の認知が22.1%、「現在販売されている4Kテレビ単体では、今年12月から始まる4K放送がみられないものがある」の認知が17.8%、そして先述の通り、「今年から始まる4K放送を見るには、4Kテレビに加え、対応チューナーも必要になる(または、4Kチューナー内蔵テレビが必要)」の認知は24.8%だった。いずれの認知率も、17年7月時点に比べて7~13ポイント増加しているものの、まだまだ成長の余地はありそうだ。
 
4K放送の視聴意向

開始セレモニーには深田恭子さんも登壇

 12月1日の9時半から始まった開始セレモニーには、タレントで4K8K推進キャラクターの深田恭子さんも登壇。「放送開始に向けたドラマやスポットの撮影があったので、4K8Kを身近に感じる。昨日、家に対応チューナーを設置したので、家に帰って見るのが楽しみ」とコメントした。
 
4K8K推進キャラクターの深田恭子さん

 放送開始の10時が近づくと、関係者が登壇し放送開始のスイッチに手をかけ、カウントダウンを開始。10時丁度に一斉にスイッチを押すと同時に、舞台の上部に設置されたテレビが各局の4K放送を映し出した。放送サービス高度化推進協会の福田俊男理事長は、「無事に各局の放送が始まって一安心した」と胸をなでおろしつつ、関係者に改めて感謝を述べた。
 
一斉にスイッチを押して放送開始を祝った
 
放送サービス高度化推進協会の福田俊男理事長

 2020年の本格普及に向け、今後はコンテンツの充実と、4K8Kの視聴方法についての認知拡大を進めていく方針だ。