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ゲーミングPCを無償で貸し出し、「eスポーツ部 発足支援プログラム」

 サードウェーブ毎日新聞社が主催する「第1回全国高校eスポーツ選手権」が12月に始まる。大会に向け、サードウェーブは先着100校にゲーミングPCを無償で3年間貸し出す「eスポーツ部 発足支援プログラム」を実施。11月8日に開催された大会の概要説明会で、同プログラムの途中経過が報告された。

eスポーツ部 発足支援プログラム」の途中経過

 eスポーツ部 発足支援プログラムは、高校のeスポーツ部発足を支援し、eスポーツを楽しむ高校生を応援するための策。部活動などとして広めることで、eスポーツを文化として発展させることが目標だ。発表後は、教育現場から真っ先に、「子どもたちには、新しい文化をいち早く伝えるのが学校の役目だと思う。eスポーツもそのうちの一つだと思う」(神奈川県立横浜栄高校の鈴木校長)との声があったという。

 8月の正式発表から毎日のように問い合わせがあり、11月8日時点で56校から申し込みがあったそうだが、まだ4割近く無償の枠が残っている。この状況について、サードウェーブの榎本一郎副社長は、「高校にとって年度の途中で部をつくるのは本当に大変ということが分かった」とかみ締める。
 
サードウェーブの榎本一郎副社長

 eスポーツ部 発足支援プログラムでPCを借り受ける条件は、(1)無償貸し出し期間、全国高校eスポーツ選手権にエントリーすること、(2)学校に認められた部または同好会(チーム)であること、(3)顧問の教員が部または同好会(チーム)の継続運営を行うこと、(4)PCは校内に設置し、練習や大会参加に支障のないブロードバンド回線が準備可能なこと、(5)PCレンタル約款に同意いただけること、の5つだ。
 
「eスポーツ部 発足支援プログラム」で借りられるゲーミングデバイス

 中でも課題になったのは、(2)と(4)。部や同好会をつくるにも、予算決めや部屋の確保などが必要になるため、年度の途中では調整が難しい場合があったという。また、ネットワーク回線が学校長の管轄ではなく、地域の教育長や文科省の許可が必要な場合もあり、ハードルは高かった。榎本副社長は、「大会に向けた取り組みだったが、大会のエントリー前から戦いは始まっていた」と表現する。

 「それでも、部活をつくろうと奮闘するほど熱意を持った方々が、多くいらっしゃると分かったことは嬉しかった」と榎本副社長。「学校に部をつくろうという動きから、文化は始まっているんだな、と感じた。今回は子どもが主役ではあるものの、先生方にも尽力していただいた。やりたいという熱い想いを受け止めて、どんな形であれ、引き続き支援していきたい」と力強く語った。
 
実際に貸し出す製品

 eスポーツ部 発足支援プログラムは、11月16日に期限を迎えてしまうものの、今後についても検討しているという。「『またやってください』などの声をいただいているので、比較的に部として立ち上げやすい時期に実施できるよう、調整しようとしている」と榎本副社長は打ち明ける。学校や地域の都合で申し込めなかった高校生にとっては、“クリスマスプレゼント”もしくは“お年玉”になるかもしれない。(BCN・南雲 亮平)