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早く「Z」に触りたい!に応え、ニコンがファンミーティング、後藤フェローも登場

販売戦略

2018/09/04 19:10

 ニコンは9月1日と2日、「Nikon Fan Meeting 2018」を東京・渋谷で開催した。目玉は先月23日に発表したばかりのフルサイズミラーレスカメラ「Zシリーズ」。いち早く実機に触れようと初日の1日、開場前から多くの来場者がつめかけ、会場はニコンファンの熱気に包まれた。特に人気を集めていたのはZシリーズ関連。製品説明カウンターや撮影体験コーナーでシャッターを切りながら熱心に新製品を確かめる来場者が後を絶たなかった。撮影画像を持ち帰ることができる静物撮影コーナーでは、希望者が殺到し一時行列すら断る場面もあり、注目度の大きさが感じられた。

注目は発表されたばかりのZシリーズ。熱心に確かめる来場者が目立った

 「Zシリーズ製品企画者プレゼンテーション」でメインステージに登場した映像事業部 マーケティング統括部 UX企画部の北岡直樹 部長は、新製品の概要と開発意図を解説。今回刷新したZマウントシステムについては「次世代の光学性能実現を目指し、とても短い16mmのフランジバックと55mmの大きなマウント径を採用した。これにより、設計の自由度が格段に上がった」と説明。同時に発表したS-Lineレンズについては「Zマウント最上級の称号。絞り開放から収差が少なく、ゴーストやフレアも最小限に押さえ込んだ。その上ボケが自然で美しい」と胸を張った。
 
Zシリーズの特徴や開発意図を説明する映像事業部 マーケティング統括部 UX企画部の北岡直樹 部長

 また、同社初のフルサイズミラーレスカメラ「Zシリーズ」については「像面位相差AF搭載の裏面照射CMOSセンサーを搭載し、AF性能と画質の両方で高い性能を実現した。AFポイントは水平垂直とも最大で90%をカバーした」と話す。さらに「電子ビューファインダーには4枚のレンズで自然な見え方を実現。被写体の細部まで細かく確認できるようにした」と語ったほか、ボディ内5軸手ぶれ補正や新画像エンジンEXPEED6、4K UHD動画への対応など、多彩な特徴をアピールした。
 
冒険家・植村直己氏の要請に応え、寒さと衝撃に耐えるよう徹底的に改造したと語る、
映像事業部の後藤哲朗 フェロー
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 ニコンFシリーズの時代から開発に携わってきた映像事業部の後藤哲朗 フェローは「"信頼の証し"~Nikon F2・F3ウエムラスペシャル~」と題し、冒険家・植村直己氏の要請でつくった-50℃の北極点での撮影に耐える特別仕様カメラについて裏話を披露した。

 後藤フェローは「北極圏の単独犬ぞり行で植村さんが持参した他社のカメラが途中で壊れ使い物にならなかったため、ニコンで北極圏でも壊れないカメラを作ってくれないかと依頼された。開発は改造にとりかかる前にまず社内に-50℃にできる試験室を建造することからスタートした。本体は極寒でもきちんと動作するようフィルムの巻き上げ機構を改造したり衝撃に耐えるようボディの部品の素材を変更したりなどで徹底的に対応した」と話した。
 
冒険家・植村直己氏が実際に使っていた「Nikon F2 チタンウエムラスペシャル」

 「北極点のような極寒の地でカメラをテントに入れると、激しい温度差で結露し故障してしまう。そのためカメラは常に屋外に出しっぱなし。それでもしっかり動作するよう改造と検証を重ね、植村直己氏の求めるウエムラスペシャルのカメラにすることができた。彼は1984年2月13日にマッキンリーで消息を絶ったがその時もニコンのカメラを持参していた。おそらくマッキンリーにも何台かのウエムラスペシャルが今も眠っていることだろう」と後藤フェローは話した。
 
撮影体験用にずらりと並べられた新製品のZ7

 イベントは、Fマウントレンズの新製品「AF-S 500mm F4」や「COOLPIX P1000」など超望遠製品が体験できるコーナー、写真撮影のノウハウを伝授するミニセミナー、関連グッズの販売と盛りだくさん。Zシリーズのカットモデル展示や現行製品も含めたカメラやレンズ群を集めた製品ラインアップ展示も人気を集めていた。

 「Nikon Fan Meeting 2018」は東京に続き、大阪、名古屋、札幌、広島、福岡、仙台と全7か所で開催。来場者全員に「Nikon Fan Meeting 2018のホログラムステッカー」と「Nikon Zマウントシステム開発者小冊子」がプレゼントされる。(BCN・道越一郎)
 
東京会場と大阪会場ではモデル撮影会も開催。新製品での撮影も楽しめる