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店舗のWi-Fiを収益アップにつなげる「Cisco Meraki」+「Cloud4Wi Volare」

 来店客向けにWi-Fi接続サービスを提供する店舗が増えている。しかし、Wi-Fi環境の整備・運用には一定のコストが必要な以上、店舗にとってもメリットのある仕組みが求められている。ネットワンパートナーズが販売する店舗向けのWi-Fiシステムは、運用を効率化すると同時に、マーケティングなど収益性向上の目的でもWi-Fiを活用可能にするという。

店舗のWi-Fiに求められる特有の要件

 スマートフォンの普及や外国人旅行者の増加を背景として、無料のWi-Fiインターネット接続サービスを利用できる商業施設がここ数年で急増した。

 しかし、利用開始までに複雑な登録手順が必要だったり、アクセスポイントの不具合が放置されていたりといった理由で、実際には利用が伸び悩んでいる店舗も少なくない。また、店側から見れば無料のWi-Fiサービスはコストであり、直接的に収益を生むものではない。手間や費用をかけて提供し続ける必要があるのか、疑問が生じる場面もあるだろう。

 ネットワーク機器の卸売りや導入支援サービスなどを提供するネットワンパートナーズで、IoTソリューションのマーケティングを担当する印東葵氏は「店舗Wi-Fiのシステムは、利用者と店舗の両方にとって使いやすいものでなければなりません。また、最近では『Wi-Fiによる店舗の収益性向上』も、しばしば求められる要件のひとつになっています」と話し、ただインターネットにつながるだけではなく、店舗特有のニーズを満たせるインフラが必要になっていると説明する。
 

ネットワンパートナーズ
マーケティング&ビジネス開発部
IoTソリューションチーム
印東葵氏

Wi-Fiを通じて得意客をピックアップ

 そこで同社が昨年から国内向けに販売を開始したのが、米Cloud4Wi(クラウドフォーワイ)が提供するWi-Fiマーケティングプラットフォーム「Cloud4Wi Volare(ボラーレ)」だ。

 Volareは、顧客がWi-Fiを簡単に利用するための機能や、店舗のWi-Fiを利用する顧客に対して広告やクーポンを配信する仕組みを搭載した、小売業向けのクラウドサービスだ。

 最近では、TwitterやInstagramなどSNSのアカウントでログインすると利用可能になる店舗Wi-Fiが増えているが、Volareを利用すれば、小売店が独自に認証システムを構築しなくても、そのような簡便なユーザー認証を導入できる。認証にはSNSだけでなく、Eメールアドレスや店舗独自の会員IDなどさまざまな要素を使用可能だ。

 加えて、Volareには顧客の行動を把握・分析する機能が搭載されている。来店日時や再訪率といった情報をグラフ化できるほか、複数のアクセスポイントを設置している店舗では、来店客が店舗内のどこで時間を費やしたかなど、位置情報に基づく分析も可能となっている。「現場の販売員の方々は店内での顧客の動きをおおまかには把握していますが、実際にVolareで分析してみると、イメージとは異なることも多い」(印東氏)といい、売り場づくりがねらい通りの効果を上げているかを定量的に確認する意義は大きい。
 

「Cloud4Wi Volare」はSNSを利用した簡単な認証機能と、
顧客の属性や行動に応じた強力なマーケティング機能を提供する

 さらにVolareのユニークな特長として、分析で得られる顧客の行動情報に応じて、さまざまなマーケティング策を投入できる機能が挙げられる。地域や時間帯に応じて異なる情報を配信したり、「来店3回目の顧客が店内に入ったときに、特別割引情報のメールを送信する」といったように、条件を満たした得意客だけの優待を提供したりできる。店舗が既にもつ顧客管理システムや会員プログラムとも連携可能となっており、顧客ごとに最適な施策を打つことで、売り上げやロイヤリティを高められる。

他店舗展開に必要なクラウド経由の一元管理

 ネットワンパートナーズでは、Volareに対応した各社のWi-Fiアクセスポイントを取り扱っているが、中でも小売や飲食といった店舗業からの需要が大きい製品が、シスコシステムズの「Meraki(メラキ)」だ。
 

クラウド経由の一元管理に対応したアクセスポイント「Cisco Meraki」

 Merakiの最大の特長は、複数のアクセスポイントをクラウド経由で一元的に管理できることだ。ネットワンパートナーズのエンジニア・松本有広氏は「チェーンストアなどで多数の拠点を展開する場合、各店舗自身がアクセスポイントを管理するのは困難です。そのため、アクセスポイントに障害が発生していることに気付かなかったり、適切なセキュリティ設定が行われていなかったりといった、問題を抱えていることが多いのです」と指摘する。Merakiであれば、本部のシステム担当者が全国の店舗Wi-Fiを一元管理できるので、店舗側に負荷をかけずに高いサービス品質を維持できる。
 

ネットワンパートナーズ
セールス・エンジニアリング部
エキスパート
松本有広氏

 現在ではWi-Fiが身近な技術になっただけに、いざ店舗で本格導入する段になって、家庭や一般オフィスのネットワークでは想定できなかった、さまざまなトラブルが発生することがある。ネットワンパートナーズは、同社のパートナー企業との協業によって、店舗のWi-Fiに求められる製品やサービスをワンストップで提供できる体制を整えており、小売業の経営者・IT担当者の良き相談相手になってくれることだろう。