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<2017・冬エアコン>毎日18kg吸い込む空気をキレイにする「エオリア」

特集

2017/11/25 09:00

 「水や食べ物に気を使う方は多いが、室内の空気にも着目して『健康な空気と暮らそう』というのがエオリアのコンセプト」――。パナソニックのエアコン商品課エアコン商品係の渡辺誠主幹はこう語る。エアコンメーカーのなかで「センサー陣営」に分類できるパナソニックだが、連載企画「2017年冬エアコン」の第2弾となる「エオリア」WX/Xシリーズでは、空気清浄に力を入れている。


「エオリア」WX/Xシリーズとエアコン商品課エアコン商品係の渡辺誠主幹

 健康志向の高まりやアレルギーへの悩みから、直接身体に採り入れる食事や水に気を使う人は多いが、空気についてはどうだろうか。「人が一日に身体にとりいれる物質で最も多いのが空気の約18kgで、水は約1.2kg、食べ物は約1.3kg。実は空気が圧倒的に多い」と渡辺主幹は、空気のキレイさに注目する必要性を指摘する。ルームエアコンの新ブランドとして2年目となる「エオリア」は、さらに「健康な空気」を実現するための新機能を搭載した。
 

「エオリア」WX/Xシリーズ

 それが独自技術の「アクティブクリーンフィルター」だ。エアコンの室内機の正面に取り付けられたプリーツ状の空気清浄フィルターが、センサーで検知する室温や空気の汚れに応じて室内機の上面で稼働することで、空気中に浮遊する花粉やホコリ、カビなどをキャッチする。フィルターの大きさは、Xシリーズの昨年モデルで採用していたフィルターの67枚分だという。これにより、従来より約3倍のスピードで部屋の空気をキレイにできるようになった。
 

「アクティブクリーンフィルター」が前面にある状況(左)と可動して上部にある状況

 簡単にいえば、空気清浄機のフィルターのようなものを、エアコンに取りつけたイメージだ。新搭載の「ホコリセンサー」で約0.3μmの微細な汚れを検知したうえで、アクティブクリーンフィルターで0.1~2.5μmの粒子を99%除去する。日本電機工業会(JEMA)規格のPM2.5(微小粒子状物質)の除去性能にも適合する。

 ただし、専用機である空気清浄機のフィルターのほうが網目は細かく、フィルターそのものの面積も広い。「アクティブクリーンフィルター」を広げた面積はバスタオル1枚分であるのに対して、同社の空気清浄機の最上位機種のF-VXP90の集じんフィルターは、畳1畳分以上のろ紙が収納されている。パナソニックはエオリアと空気清浄機の併用を推奨している。

 エアコンの風を効率的に流すことと、ホコリの集じん性能を高めることはトレードオフの関係になるが、フィルターを可動することで両立させている。運転スタート時の立ち上げは急速に部屋を暖めたり、冷やすことが最優先されるので、フィルターは収納したままで、室温が落ち着いて、運転が安定したときに上部に可動するのだ。または「ホコリセンサー」で汚れを検知したときに可動するといった工夫が施されている。
 

「アクティブクリーンフィルター」の収納と可動イメージ

 この冬のトレンドである熱交換器の清潔性には、「ホコリレスコーディング」で対応。従来は熱交換器の側面にホコリや油分が付着しにくい「親水撥油コート剤」を施していたが、今回は熱交換器の表面(フィン切断面)にも施した。

 加えて、熱交換器の表面の凹凸を滑らかにしてホコリを水で流しやすくした「ナノシリカ凹凸表面構造」を採用。2つの技術を合わせ技で、ホコリや油分を付着しにくくし、油分が多いホコリが付着した場合でも、冷房や除湿運転時の結露で生じる水の力でキレイに洗い流せるようにした。
 

「ホコリレスコーティング」

 もともと「ナノイーX」というOHラジカルを含む微粒子イオンを発生させることで、空気中に浮遊する汚れをキレイにしていた「エオリア」だが、「ナノイーX」の継続採用はもちろん、本体の大型フィルターで汚れをキャッチして、熱交換器も清潔に保つように進化させた。気になる「アクティブクリーンフィルター」の交換タイミングだが、メーカー推奨は2年だが、2年たっても空気清浄能力は半減するにとどまるという。本連載の第3弾は、日立ジョンソンコントロールズ空調のエアコンに迫る。(BCN・細田 立圭志)