11月に入って日を追うごとに寒さが増している。本格的な年末商戦がスタートする前に、早くもエアコンが順調に動きはじめている。富士通ゼネラル、パナソニック、日立ジョンソンコントロールズ空調による今年度(2017年4月~18年3月)の総需要予測は、前年度(853万台)と同程度の850万台のラインが濃厚だ。前年度を上回る870~880万台という強気のメーカーもある。

 日本冷凍空調工業会によるルームエアコンの上半期(4月~9月)国内出荷台数実績は、前年同期比108%となる572万台。2013年上期の578万台に次ぐ史上2番目となる数字だ。猛暑だった13年は、7月単月で過去最高の170万台を記録。今年は4月、5月は好天に恵まれ、6月、7月も暑い日が続き、順調に推移したが、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なる「スーパー猛暑」という予測とは裏腹に、7月下旬から8月は雨の日が続き、急ブレーキがかかった。それでも、上期では過去2番目の水準となった。

 富士通ゼネラルの国内営業を統括する秋場竜一商品戦略部長兼宣伝部長は「梅雨明けから台風の影響もあり、一番盛り上がるはずの7月末から8月前半が悪かった。ただ、4月、5月が好天だったので上半期で見れば前年をクリアした」と前半戦を振り返る。
 
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富士通ゼネラルの秋場竜一商品戦略部長兼宣伝部長

 「当初は年間830万台の予想を立てていたが、上期が目標をクリアし、10月以降も気温が下がっているので年間870~880万台もあるのではないかとみている。ただ、8月分の流通在庫のだぶつきがあり数字は出しにくいが、昨年並みの850万台は確保したい」(秋場部長)。

 パナソニックも、17年度は年間約850万台という予測だ。「買い替えがメインだが、都市部では個室用の買い増しも増えている。住設ルートによるアパート投資の新規需要も後押ししている」とエアコン商品課エアコン商品係の渡辺誠主幹は分析する。
 
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パナソニック エアコン商品課エアコン商品係の渡辺誠主幹

 日立ジョンソンコントロールズ空調も例年並みの850~860万台を予想する。「700万台から市場が拡大し続けている要因はいろいろ考えられるが、精査しきれていないのが実情」と国内営業本部国内商品企画部の丸山裕部長は、さまざまに複合する要因がエアコン市場全体を押し上げているとみる。
 
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日立ジョンソンコントロールズ空調 国内営業本部国内商品企画部の丸山裕部長

 北海道でも夏にエアコンを使う家庭が増え、住宅の高気密化とエアコンの暖房性能の向上で、東北地方など寒冷地でも冬場にエアコンで暖をとる家庭が増えている。買い替えに加え、こうした「純増」もあり、エアコンの年間出荷台数は過去7年間、800万台以上(13年度は942万台)の好調をキープしている。

 続々と各社から発売されている2017年冬モデルの最新エアコンをみると、気流制御やセンサー検知、空気のキレイさなど新しい訴求ポイントが多い。こうした付加価値機能も市場を盛り上げる大きな要因のひとつになっている。(BCN・細田 立圭志)