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自宅でパブリックビューイング? ベンキューのプロジェクター「HT3050」の演出力 を検証

レビュー

2016/09/30 11:00

 「スポーツ観戦を大画面で楽しみたい。友達も呼んでパブリックビューイングみたいなことができたら楽しいはず。でも大画面のテレビは価格面でも置き場所的にもハードルが高い」、そんなジレンマを解決する手段として、プロジェクターが注目を集めている。ビジネス用途をイメージしがちなプロジェクターだが、最新のホームユース製品は大画面ならではの迫力や臨場感を手軽に実現してくれる。

 しかし、実際にプロジェクターを家庭で使った経験がなければ“手軽さ”や”臨場感”について、どうしても懐疑的になってしまう。そこで設置や使用方法、実際の画面表示を確かめるために、ベンキューのホームシアター向けプロジェクター「HT3050」で検証してみた。想定シーンは「自宅で友人とサッカーを観戦しながらのホームパーティ」だ。
 

ベンキューの「HT3050」がパブリックビューイングに向いているのか、検証してみた
 

セッティングにかかる時間と手間はわずか、大画面の視聴環境がすぐに完成

 今回、利用したのは約10畳の正方形に近い白壁の部屋。一人暮らしのリビングルームとしても、若干手狭なサイズ感だ。テーマは「パブリックビューイング」なので、L字に配置したソファーの前には宴に欠かせないドリンク類やアラカルトを用意した。プロジェクターは、パーティの邪魔にならないようにテーブルの横に配置。参加者が光を遮らないように斜めから照射して、映像を壁に投影する形にセッティングした。

 セッティングする際に驚いたのが、設置のしやすさだ。プロジェクターといえば、何本ものコードが複雑に絡み合ったイメージが強かったが、「HT3050」の配線は実にシンプル。今回はノートPCと接続して映像を投影したが、電源ケーブルとHDMIケーブルの2本で事足りてしまった。

 これなら初心者でも迷うことはないし、設置場所に縛られることもない。インターフェースが各種揃っていることも補足しておく。接続する端末が変わっても、ほとんどの場合で対応できる。
 

シンプルに、そしてすばやくセッティングできるケーブル周り

 セッティングは3分とかからずに完了。さっそくプロジェクターを起動してみる。投影する壁に対して斜めに設置しているため、初めは縦横比が歪んだ映像が浮かび上がった。

 この時点で「画面サイズや形状を整えるのが億劫」と思ってしまうのは、学校やビジネスでしかプロジェクターを使用しない記者の発想。実際のところ、「HT3050」の縦横台形補正機能を使えば、画面は歪みのない長方形にすぐに補正できた。

 部屋が狭いことから最も心配していたのは、「十分に壁からの距離を確保できるか」という点だ。画面サイズは、本体と壁との距離で調整する。当然ながら、距離が長ければ長いほど画面サイズは大きくなる。

 約2.5mの距離で100インチの画面サイズが投影可能な「HT3050」は、その点も余計な心配だった。部屋のスペースの範囲内で壁一面に広がる大画面環境を構築することができた。本体下部にはレンズ調節ネジがついているので、上下の位置を調整したいときも設置場所を動かす必要はない。
 

フォーカスを調整するネジやレンズ調節ネジボタンは本体上部に集めた

 セッティング同様、映像の設定もまごつくことなく簡単に完了。さっそくパブリックビューイング用の映像を投影してみた。今回、チョイスしたコンテンツはサッカー。激しい動きにも十分に耐えられるかが、最も気になるところだ。__RCMS_CONTENT_BOUNDARY__

残像感が少ないDLP方式だから、スポーツ観戦も快適

 視聴を始めてすぐの印象は、液晶テレビとなんら変わらない感覚で、映像を楽しめることだ。古いプロジェクターの感覚が身についていたので、ここまでくっきりとコントラストのはっきりとした色合いが出るのかと驚いた。

 「HT3050」は、解像度がフルHD(1920×1080)、輝度が2000lm、そして1万5000:1のコントラストを実現している。さらに、国際基準規格の「Rec.709」に対応しているので、コンテンツが意図する正確な色を再現できるのだ。

 肝心の動きに対するレスポンスだが、予想していた残像感はほとんど感じなかった。サッカーのように激しい動きが連続する映像なら、さすがに少しは気になると思いじっくり目を凝らしたが、本当に違和感なく、流れるような動きで表示された。

 プロジェクターは液晶方式とDLP方式の2種類が主流だが、「HT3050」は「DLP方式」というデジタル処理のみで絵を作り出す映像表示の方式を採用している。色の再現性とコントラストが高く、映像の遅延が液晶方式と比べて少ないのが特徴。

 サウンドも目を見張るものがある。背面に2基搭載したチャンバー型のステレオスピーカー(各10W)は、オーディオエンハンサー技術を採用し、重低音もクリアに再生。一般的な大型液晶テレビと同等の実力だ。ホームパーティを盛り上げるには申し分ない音量が出力できることも、確認できた。
 

本体から離れていても十分に臨場感が伝わるパワフルなスピーカーを2基搭載

 映像やサウンドだけでなく、本体パーツにもさまざまな工夫が凝らされている。例えば、駆動音。どうしても耳につくファンの回転音だが、「HT3050」では途中まで存在を忘れるほどの静けさだった。

 フォーカスを調整するネジ部分は、暗所でも手元が見えるようにライトで照らされているが、使用しないときは、フタを閉じて明かりの漏れを防ぐこともできる。
 

明かりの漏れを防ぐためのフタを設けるなど各所に細かい工夫が凝らされている

 今回の検証による結論は、「HT3050でパブリックビューイングは十分に実現できる」ということだ。「HT3050」のようにホームユースを突き詰めた設計で、残像感の少ないDLPプロジェクターであれば、今回検証したスポーツ観戦をはじめ、なおさらそのポテンシャルを生かし切るシーンは多そうだ。(BCN・南雲 亮平)