2026.9.20 18:30

おでかけ

さらば重い重い大三元、730gの「AF 60-180mm F2.8」をLK SAMYANGがSchneider-Kreuznachとのダブルネームでリリース[道越一郎のカットエッジ]

SHARE ON

 レンズ交換式デジカメに装着するレンズには、カメラメーカーが自ら販売する純正品と、それ以外のサードパーティー製レンズの2種類がある。サードパーティー品は、手ごろな価格で純正品と肩を並べる品質の製品も多く人気だ。例えば、BCNランキングデータでは、8月現在で交換レンズの販売本数の44.6%をサードパーティー製が占めている。サードパーティーといえばシグマ、タムロンの2強だ。今もこの2社は圧倒的に強い存在。交換レンズ市場全体でみても、販売本数シェアが最も高いのが、サードパーティーのシグマで、22.4%に上る。2位も同じくサードパーティーのタムロンで15.3%、という構図だ。3位以降でやっと純正陣が登場し、ソニー、キヤノン、ニコン、OMデジタルソリューションズ、富士フイルム、パナソニックと並ぶ。

サードパーティー交換レンズのメーカー別販売本数シェア

 この交換レンズ市場でじりじりとシェアを伸ばしつつあるサードパーティーがある。LK SAMYANGだ。サードパーティーのみでの販売本数シェアは4位にとどまっているが、この8月にはシェアを2%台まで上げてきた。特にこのところ話題を呼んでいるのが、ドイツの老舗Schneider-Kreuznach(シュナイダー・クロイツナッハ)と共同開発したレンズ群。Schneiderと言えば、カメラのオールドファンにはおなじみのブランド。Carl Zeiss(カール・ツァイス)やLeica(ライカ)と並び称されるドイツの名門光学メーカーだ。特にフィルム時代は、4×5や8×10といった大判カメラのレンズメーカーとして名を馳せた。Rollei(ローライ)やHasselblad(ハッセルブラッド)、Phase One(フェーズワン)などにレンズを供給していた時期もある。残念ながら、民生用スチルカメラ用レンズからは撤退しているが、産業用レンズなどを中心に現在も操業している。
 
LK SAMYANG × Schneider-Kreuznachの「AF 60-180mm F2.8」


 LK SAMYANG × Schneider-Kreuznachのダブルネーム最初のモデルは25年5月に発売した「AF 14-24mm F2.8(ソニーFEマウント)」。同年のCP+で先行展示した後、満を持して発売した。さらに同年11月「AF 24-60mm F2.8 FE」(ソニーFEマウント)を発売。いずれもF2.8通しの明るいレンズだ。そしてこの9月18日、新たに「AF 60-180mm F2.8」(ソニーFEマウント/ライカLマウント)を発売。これで広角域から望遠域までを3本のF2.8ズームレンズでカバーする、いわゆる「大三元」がLK SAMYANG × Schneider-Kreuznachで完成した。望遠側が180mmで200mmに満たないとはいえ、他社の同等品では1kgを超えるレンズが多い中、730gと軽量なのが最大の特徴だ。販売元のケンコー・トキナーオンラインショップ価格はソニーFEマウント版が15万9800円、ライカLマウント版が16万9800円。
 
LK SAMYANGの製品担当キム・ドゥビン氏(左)とキム・ウォンヨン日本支社長

 LK SAMYANG × Schneider-Kreuznach「AF 60-180mm F2.8」の製品発表会で、同社製品担当のキム・ドゥビン氏は、「一番強調したいのはマクロ機能。60mmでは0.35m、180mmでは0.79mの最短撮影距離を実現した」と胸を張る。また「小型軽量というのも大きな特徴。他社製品と比べて20%以上軽い。これまで発売してきたAF 14-24mm F2.8、AF 24-60mm F2.8と、今回のAF 60-180mm F2.8の3本を合わせても1.7kg以下に収まる」と話した。発表会にゲストとして招かれた写真家の坂井田富三氏は「非常に軽量コンパクトなサイズで、スナップシューターとしても非常に強力。イベントや旅行など一日中動きながら撮る用途で扱いやすい。ニュートラルで柔らかな描写が特徴で、背景のボケも好印象。AFは動体にも十分対応できる。開放F2.8の明るさと高い近接性能も魅力」と評価した。
 
写真家の坂井田富三氏(左)と映像クリエーターの桜風涼氏

 また、映像クリエーターの桜風涼氏は「広角から望遠まで全部使ってみて、色の統一性があり、映画撮影で使っても非常に使いやすかった。ズームに関してはシネズームと比べると物足りない部分はあるが、十分動画撮影で使えるレンズ」と話した。また、「我々の業界も高齢化が進んでおり、カメラマンたちは機材をなるべく軽くしたいと思っている」とも指摘する。従来の大三元レンズは「撮ってる感」は強いが持ち運びが苦痛、という声をよく聞く。持ち運んで撮って初めて機能するのがカメラとレンズ。高い描写力はもちろん「小型軽量」というのも優れた機能といえるだろう。同社のキム・ウォンヨン日本支社長は「LK SAMYANG × Schneider-Kreuznachのレンズはこれからも増やしていきたい」と話す。同社のさらなるチャレンジに期待したい。(BCN・道越一郎)
写真ギャラリー

道越 一郎

Ichiro Michikoshi

古屋の手作り万年筆と天秤にかけ、選んだNECの文豪mini5HTでCP/Mを操りCompuServeで遊んでいたのが原点。以来、筋金入りのモバイラーとして活動すること40年。人生の師と仰いだジョアン・ジルベルト亡き後、回転しながら浮遊して生息する。近年は音の人を自称。

SHARE ON

注目の記事


CLOSE
CLOSE