いまや家庭でおなじみになったスティック掃除機。登場時は掃除の補佐程度の性能だったが、現在は十分にメインで通用するレベルまで進化した。正直、十分に成熟していて、新製品に惹かれることも減っていたのだが、エレクトロラックスが6月に発売した「Pure Q9」が別格の美しい佇まいで興味を引いた。使って分かったのは外見の美しさ以外にも、卓越した使い勝手の良さを備えているということだ。

美しいデザインが際立つエレクトロラックスが6月に発売した「Pure Q9」を試した

インテリアとしてレベルアップ! 購入意欲の高まる新デザイン

 Pure Q9の基本的な設計はエレクトロラックス従来機の延長線上にある。スティックタイプながらバッテリを搭載する中心部分を取り外すことができ、手軽にハンディタイプにスイッチして使用することができる。デザインで大きく異なるのは、外枠のアルミフレームだ。曲線的なデザインが美しいだけでなく、素材の軽さと肉抜きした設計で、軽量化も実現している。
 
アルミフレームを採用することで軽量化も実現

 自立式はインテリアとしての側面が大きかったが、デザインの洗練によってPure Q9はその魅力がさらに増したように思える。前述したように成熟した市場においては、これだけでも十分に購入動機につながりそうだ。

 もっとも見た目については一目瞭然なので個々人の判断に任せるとして、ここで深堀りしたいのが、考え抜かれた機能美だ。Pure Q9は、細かい動作も含めて、ユーザーがどうすれば楽に掃除ができるかがよく計算されている。

吸引力以上に特筆すべきは計算しつくされた“使いやすさ”

 まず、掃除機の本質ともいえる吸引力について触れておこう。エレクトロラックスの清掃における性能の要はヘッドにある。全てのモデルで利用することができる新しいクリーナーヘッドはぴったりと床に吸い付き、従来比7倍の吸引力を実現した。
 
 
フローリングの溝や壁際のごみやホコリも逃さず吸引する

 フローリングに特化したのは2019年モデルからの方針だが、新モデルは溝や壁際でさらに徹底してごみやホコリを取り除く。ヘッドにはLEDライトを搭載し、暗い場所でも照らし出す仕様だ。ベッドの下やソファの下など、しっかり掃除しているつもりでも、ライトで照らすと見えていないだけで細かいホコリが残っていることがよく分かる。一度体験すると、ライトなしでは不安になるくらい必要な機能だと感じた。
 
ヘッドにはLEDライトを搭載。目に見えていなかったホコリも視認できるようになる

 ベッドの下やソファの下といえば、Pure Q9は横にしたときの高さが従来機種より低くなった。そのおかげで、奥の方までつっかかることなくヘッドを楽に滑り込ませることができるようになった。ヘッドの駆動領域が広く左右によく動くので、例えばベッドの奥の角までヘッドを沿わせることができる。
 
ヘッドの駆動領域が広く、掃除の自由度が高い

 Pure Q9を使用していて最も秀逸と感じたのが、充電スタンドだ。従来のものと比べると、かなりスリムでリビングや寝室の中にあっても、存在を主張しすぎるということはない。しかも、ヘッドを持ち上げることなく本体を取り外すことができる。

 当初は細かい工夫に思えたが、繰り返し使用するうちにメリットが非常に大きいことに気がついた。掃除した後にスッと充電スタンドに滑らせるだけ、マグネットがピタッとくっつくので接続にまごつくこともない。掃除のたびに2度は軽くない掃除機を持ち上げていたことを思うと、トータルでみた負荷の軽減はかなりのものだ。
 
 
充電スタンドはかなりスリム。ヘッドを地面から浮かさずとも接続/取り外しができる

 Pure Q9の価格はオープンで、税別実勢価格はブラシロールクリーンフロアノズ、スーパーロングノズル、UVベッドノズルなど付属品が充実したサテンホワイトが6万3400円前後、すき間ノズル、ブラシノズル、ソフトブラシノズルを備えたシンプルな構成のマホガニーブロンズとインディゴブルーが4万9800円前後。

 プレミアムモデルだけあって、同カテゴリの中でも高価格帯に分類される製品だ。掃除機は吸引力が比較対象になることが多いが、Pure Q9はここまで説明してきたように、他のスティッククリーナーとは比べることのできない掃除という行為そのものの質を上げてくれる。もちろん吸引力も申し分ないが、購入にあたっては、体験価値を意識して検討するといいだろう。(BCN・大蔵大輔)