ビジネスシステムイニシアティブ協会(BSIA)は12月17日、第97回研究会を都内で開催した。講師にビズリーチの竹内真取締役CPO兼CTOを迎え、「ビズリーチのAI室の活動と実例のご紹介」と題し、同社のAI室の構成や主要メンバー、活動範囲、内容を紹介しながらAI室による成果について講演、後半で活発な議論も繰り広げられた。およそ40人が参加した。

「ビズリーチのAI室の活動と実例のご紹介」と題し講演するビズリーチの竹内真取締役CPO兼CTO

 09年創業したビズリーチは、今年で10周年。年商215億、従業員が1300人を数える。竹内取締役は、電気通信大学情報工学科卒、富士ソフトABCを経て、フリーエンジニアとしてリクルートの基盤フレームワーク開発などを経験、08年にビズリーチの創業準備期に参画。CTOとしてサービス開発を手掛けた。現在は、取締役CPO兼CTOを務める。

 ビズリーチの事業は転職サイトの「BIZREACH」を中心に、20代にフォーカスした転職サイト「キャリトレ」、学生向けのOB・OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」、人材活用クラウド「HRMOS」などを手掛ける。全社のミッションとして「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」を掲げ、ITを活用した社会の課題解決を追求、自社のビジネスとして展開している。AI室は、横断組織として新技術を各事業に生かす中核を担う。
 
講演後の質疑応答では活発な議論が交わされた

 人材領域では、求人側の企業と求職する学生や社会人を、いかに合理的に効率よくマッチングさせるかが重要。他社では、労働集約型で人が感覚的に処理している場合もある。ビズリーチは、AI室が開発するアルゴリズムによって最適で効率的にマッチングさせていくのが大きな特徴だ。

 キャリトレのレコメンド機能について竹内取締役は、「100万人単位のマッチングを行うと、どうしても偏りが生まれる。これを、ユーザーの皆様の満足度を維持しながらうまく分散させていくことが、転職の成功を生む」と話し、そのノウハウの片鱗を披露した。

 多くの事例を見てきた経験から、最近の技術者採用の状況について竹内取締役は「現在、エンジニアを目指す世界の学生が働く場所として考えるのは米国、中国、日本におおよそ絞られる。ビザの問題や生活環境、さらに文化的な背景など複合的な観点から、活躍できる舞台として日本が注目されている」と話し、現在、エンジニアが働く場所として日本の注目度が高まっていると指摘する。

 年収の相場感については、「相応の年収は必要。インドからなら600万円以上、中国からなら800万~900万円でトップランナーが採用できる。米国からの採用なら、新卒でも800万円がスタートライン」などと話した。

 BSIAの研究会、次回は1月23日、ウシオ電機の経営統括本部IT戦略部門の須山正隆部門長を招いて開催する。NPO法人として運営しているBSIAは、法人・個人合わせて1600を超える会員を擁し活発に活動している。来年3月には、研究会が100回の節目を迎える。(BCN・道越一郎)