将来は車がスマホの一部になる──JCSSAがIT事業者向け経営戦略オープンセミナー

 JCSSA(日本コンピュータシステム販売店協会)は12月4日、「ITシステム『2025年の崖』の克服」と題し、都内でIT事業者向け経営戦略オープンセミナーを開催、およそ220人が集まった。

会場にはおよそ220人が集まり、熱心にDX実現の現状と事例紹介に聞き入っていた

 基調講演では、経済産業省商務情報政策局情報産業課の和泉憲明企画官が登壇。「デジタルトランスフォーメーションの本格的な展開に向けて~民間企業向けDX推進施策の詳細について~」と題して講演した。

 「デジタルトランスフォーメーションはすでに始まっている」として、「地方の町工場がDXを実現したことで、NASAから受注するまでに変貌したり、病院にスマートフォン(スマホ)を軸にした効率化システムを導入するだけで飛躍的に生産性が向上したりしている」など、実例を挙げながら「DXの本質は技術論やコスト論ではなく、経営改革そのもの。デジタル技術を活用しつつ、企業が全く違う次元に進化することだ」と説いた。
 
DXはもうすでに始まっていると話す、経済産業省商務情報政策局情報産業課の和泉憲明企画官

 後半のビジネスセッションでは、3人のゲストスピーカーを招き、デジタルトランスフォーメーション推進事例を紹介した。

 ファーウェイのモバイル戦略&事業開発部の王宇峰副部長は、「5GネットワークによるDXの推進」と題し、同社が取り組んでいる5Gネットワークの最新技術を生かしたDX推進について講演。「5GがDXを推進する大きな柱になる。その中で、現在スマホを超える環境を目指し、Harmony OSを開発している。スマホを出発点に、テレビや時計、イヤホンなど八つのデバイスを皮切りに、次々とHarmonyプラットフォーム上で展開していく。そこでは、車すらスマホの一部になる」と話した。
 
車すらスマホの一部になると将来展望を語る、ファーウェイのモバイル戦略&事業開発部の王宇峰副部長

 続いて、SBクラウドの営業技術統括部パートナー推進室の植田敦室長は「DXを推進するAlibaba Cloutを活用したパートナーソリューションと最新事例」と題し、Alibaba Cloudが提供するAIIoT、Bigdataなどのテクノロジーを用いた最新事例とDXを推進するパートナーソリューションを紹介した。

 最後に、トレンドマイクロの上級サイバークライムアナリスト/公共ビジネス本部の飯田朝洋本部長が登壇。「DXを支える最新セキュリティの実際」と題し、DXを推進する上でキーとなるセキュリティにかかわる問題点などを解説した。(BCN・道越一郎)