今秋登場した新iPhoneは、有機ELディスプレイを搭載した「iPhone XS Max/XS」と、液晶ディスプレイを搭載した「iPhone XR」の計3機種。ホームボタンのあるiPhoneはついに新ラインアップから消える――。それは、「iPhone X」の位置付けを考えると、当然の判断だと思いつつも内心寂しくもあった。しかし、「iPhone XR」の実機を借り、カメラとブラウザーを中心に使ってみて、その思いは杞憂に終わった。

6.1インチで、シングルカメラの「iPhone XR」

新しい操作方法は、驚くほど違和感なし

 6.1インチにサイズアップした「iPhone XR」の重さは194g。「薄さは正義」といわんばかりだった「iPod nano」や「MacBook Air」の印象が残っていると、重量アップは退化と切り捨てたくなるが、スマートフォンが入る大きめの財布や、肩に斜めにかけるボディバッグ、サコッシュなどに入れて持ち運べば、重さはさほど気にならないだろう。

 ホームボタンを一度押す代わりに、下から上へスワイプするなど、操作方法は変わっても、驚くほど違和感はなく、体感はiPhoneそのもの。3D顔認証「Face ID」の反応も速く、これなら安心して乗り替えられると太鼓判を押したい。
 
復活した「ブラック」。黒のベゼル部分とフレームが一体化し、ノッチもあまり気にならない

 ホームボタンがなくなったら、スクリーンショットはどうやって撮るのか? 答えは、サイドボタンと音量アップボタンの同時押しでOKだ。こうした変更点をいちいち調べるのはやや面倒だが、「iPhone 8」よりバッテリー駆動時間が3時間長くなり、最大15時間も持つ「iPhone XR」は、やはり今秋発売の3機種の中では、最もバランスがいいといえるだろう。5.8インチの「iPhone XS」は、4.7インチに比べ、サイズアップ感が足りず、「iPhone XS Max」はさすがに高すぎるからだ。
 
横幅は、5.5インチのAndroidスマートフォンと同程度。画面サイズの割にコンパクトに収まっている(左)。一方、4.7インチの「iPhone 6s」と比べると、かなり大きい

 型落ちとなり、値が下がった「iPhone 8」の64GBの在庫が掃けるまでは、「BCNランキング」などの販売台数ランキングでは、後塵を拝すことになりそうだが、半年後、もしくは1年後、今の「iPhone 8」と同じ条件になれば、「iPhone XR」は確実に狙い目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)


<■後編・カメラインプレッションに続く>

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